第353回
B株国内開放の株価上昇を消化した華新セメント
華新セメント
(ファシンセメント、900933)は、
2004年12月期に
最終利益倍増の成長を遂げています。
2003年12月期も、
前年と比べると倍増以上の増益を達成しています。
2002年12月期は、小幅な増益ですが、
直近だけの業績を見てみると、
やはり急成長を果たしています。
前回のB評価から、
今回の業績レーティングでは、
A評価となったのもここに由来しています。
ただし、2005年第1四半期(1−3月期)で
減益どころか、赤字転落となったことは、
会社の発表を鵜呑みにし、
1−2月が極めて例外的に業績が悪かったにせよ、
若干の不安要素です。
しかし、同社に限らず、
今まで急成長してきた企業というのは、
いずれリバウンドが来るのは必至で、
このあたりの見極めをしなければ、
ただ単に業績レーティングを
鵜呑みにしているだけでは、
株式投資の成功は難しいでしょう。
第1四半期の赤字決算発表を受けて、
GW(ゴールデンウィーク)の前後、
同社の株価は大きく下げました。
6月にはいってからも、
全体相場の影響を受けて、
株価は下げ気味です。
0.3ドルを切る場面も見られ、
これは実に2000年ごろと同じ水準となります。
つまり、2001年2月の
B株国内開放の株価上昇を
すべて消化したことを意味します。
セメントは、
政府の投資過熱抑制策の
重点項目に挙げられる産業です。
また、政府では、
不動産バブルへの警戒から、
不動産及び住宅産業に対する
引き締めも強めていますが、
そうなれば、関連産業としてのセメントにも
影響を与えることになります。
インフラ整備による
産業活性化の恩恵は受けるとはいえ、
政策的なリスクもかなり高まっています。
そのため、業績自体も
予測しがたいものがありますが、
同社では、
上海市や三峡ダムとも関連する企業であり、
生産規模を積極的に拡大しています。
これが、うまくいくようであれば、
PER(株価収益率)は10倍前後ですが、
今の下げた株価は、
興味深いものになってきます。
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