第352回
A評価格上げの華新セメント、GW後に株価下落公告
中国本土の企業業績レーティングで、
前回と比較可能な138銘柄の中で、
前回B評価からA評価に上がった銘柄、
今回は華新セメント
(ファシンセメント、900933)を
見てみたいと思います。
ホルダーの方には驚かれたと思いますが、
2005年5月9日まで、
3営業日ストップ安となった銘柄です。
こうした異常な値動きがある場合、
中国本土では、会社に公告を発表し、
その理由を明示することが
義務付けられていますが、
同社では、
「思い当たる理由はない」としています。
ただし、こうした種類の公告は、
一部の例外を除いて、
ほとんどの企業が
「思い当たる理由はない」とするものですので、
あまり当てにはなりません。
しかし、そもそもこの企業は、
こうした公告とは無縁の、
基本的には以前から優良な銘柄でした。
こうした公告を発表すること自体、
ある意味でサプライズといえます。
この株価の急落は、
理由がないこともありません。
実は、2005年第1四半期(1−3月期)決算で、
同社は減収、赤字転落の決算を発表しています。
2004年12月期までの業績を勘案すれば、
A評価だった銘柄が、
まさかの赤字ということで、
市場が敏感に反応したものと思われます。
この赤字決算を受けて、
同社の発表によれば、
1−2月は電力不足で減産を余儀なくされ、
天候不順で製品価格が下落、
これが収益に影響したとしています。
しかし、3月単月だけを見れば、黒字で、
しかも前年同期を上回る業績を
上げているといいます。
同社でも1−2月は
季節的な周期性の業績不振としていますので、
業績がこのまま落ち込むのかどうか、
あるいは回復する可能性があるのかどうか、
もう少し観察したいところです。
|