| 第285回銀行融資に頼れない万科企業は香港上場が急務に
 決算発表と同時に、万科企業の香港上場が再び話題になりました。
 万科企業の香港上場については、
 以前もお話しましたが、
 その後立ち消えのような形になっていました。
 60%を超える増益となった2004年本決算、
 万科企業にとっては、
 更なる飛躍が目指されるところですが、
 その一つとして、香港上場は、
 同社の事業展開及び資本政策から考えても、
 ありえない話ではなくなってきているようです。
 決算発表の記者会見で、万科企業トップの考えとして、
 今後は銀行融資に依存しない資金の調達を目指す
 ということを公言していること、
 さらに、香港の株式市場について、
 「理想的な資金調達環境」との見解を示しています。
 銀行融資に依存しない、というよりは、できなくなってくるかもしれません。
 不動産市場に対する引き締めは、
 今後厳しくなることはあっても、
 当面は緩められることはないでしょう。
 ただし、不動産という業態上、
 事業資金は絶対的に必要で、
 どこからか調達しなければならないのは自明です。
 A株やB株は、現在までに企業の資金調達能力を発揮する場としては、
 過去最低とも言える状態にあるといえます。
 企業側にとっても、市場が活況でなければ、
 資金調達の意欲がそがれます。
 中国本土が、長期の低迷に陥っており、
 「両会(中国の国会に相当する全国人民代表大会と
 超党派の会議である全国政治協商会議)」の開催を通じて、
 若干上げた場面も見られましたが、
 原則的に現在でも
 抜本的な解決は見えてこないのは
 言うまでもありません。
 万科企業にとっては、銀行融資に頼らないといっても、
 では、A株やB株における資金調達を計画しているのか、
 というと、それはやはり疑問でしょう。
 そうなると、身近な「海外」としての香港を、
 万科企業が注目しても何ら不思議はありませんし、
 経営陣の記者会見からもそれは読み取れます。
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