| 第176回元切り上げ否定の衝撃、1週間でH株が6.68%急落
 前回までに、H株指数がごく短期間に5000ポイントの大台に乗り、
 今後3カ月から半年の間に、
 史上最高値5440.75ポイント
 (2004年1月5日)が目標、
 この「3カ月から半年の間」というスパンは、
 条件次第では短縮される、と説明してきました。
 テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも、特に間違った分析ではなかったと思いますが、
 その原稿の執筆中にあたる10月13日から14日にかけて、
 H株指数は急落しました。
 最近の高値である10月8日の4838.55ポイントから、10月14日には4515.20ポイント、
 実に323.35ポイント下げて、
 6.68%の急落です。
 上海の先物市場における銅取引が寄り付きから早々にストップ安となったのは10月12日です。
 ここ最近の銅価格の大幅な上昇が
 利益確定の売りを集中させたためで、
 しかもアルミニウムなどにもその影響が波及しました。
 黄銅の世界的な供給過多が懸念されてもいます。
 これらの要素は、H株の素材・資源系セクターに
 大きな波紋を投げかけることになりました。
 江西銅業(コウセコッパー、0358)は
 14日の1取引日で実に7.1%安となっています。
 しかし、10月13日から14日にかけてのH株の急落はなんといっても、
 「人民元切り上げが否定された」
 ことが大きかったようです。
 少なくとも、短期的に、
 「単純に切り上げる」などの方法は考えられない、
 と当局が発表したのが、12日のことでした。
 中国は10月初めに開催された先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に
 初めて参加しました。
 その時の主な内容は、当然、以前から先進国が求めていた、
 中国の人民元切り上げです。
 今回のG7以来、外部の「切り上げ」機運が
 高まっていましたが、これをけん制した形です。
 今回の初参加も、中国では
 「G7との対話であって、G7への加盟ではない」
 と、独自路線を貫く方針を以前から表明していました。 |