第174回
中国「景気引き締め」は海外機関投資家の誤解
ごく短期間に5000ポイントの大台、
今後3カ月から半年の間に、
H株指数の史上最高値
5440.75ポイント(2004年1月5日)が目標、
この「3カ月から半年の間」というスパンは、
条件次第では短縮される、
と、私がみるのは、
H株指数の最近の動きからの判断ばかりでなく、
H株には悪材料という悪材料がないためでもあります。
市場は極度に中国政府の引き締めや
それに関連する利上げを警戒しています。
利上げについては、以前にも触れたように、
まだまだ予断は許しませんが、
温家宝・首相や周小川・中国人民銀行総裁なども
否定的な見解を示していますし、
CPI(消費者物価指数)などのデータも今後、
徐々に落ち着いてくる見通しであることから、
少なくとも短期的には、
懸念の減退傾向は間違いなさそうです。
引き締めについても、香港のアナリストは、
「多くの海外機関投資家が勘違いしているだけ」
「海外機関投資家は、『引き締め』を
一律のものと考えている」と指摘しています。
香港の主流の意見としては、
「中国政府は、一律に引き締めを行なう
愚は避けているのであり、明確に
『引き締めるべきは引き締め、
緩めるべきは緩める』という方針、
つまり、投資過熱業界に対する引き締めは強化、
消費活性などにつながる投資及び業界への
引き締めは行なわない」
そのため、鉄鋼やセメント、電解アルミなど以外の
業界への影響はほとんどない、というものです。
個人的な見解として、
影響がまったくないとはいえないでしょう。
事実、一律の引き締めを反対する、とか、
「引き締めるべきは引き締め、
緩めるべきは緩める」方針を打ち出す、とかは、
実は、そうした事実があったことの
裏返しにすぎません。
行政主導の引き締めの弊害とも言うべき、
官僚的なやり方に問題があったのは確かです。
ただし、この傾向は今後徐々に
是正されていくのも間違いないことです。
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