第152回
A株の改革を進展、魅力ある市場に復活させるべき
実際問題として、
中国の大型かつ有望な企業の香港を中心とした
海外上場が目白押しです。
中国建設銀行、中国銀行、中国交通銀行という
国有四大二行と国有大手行の上場は
紆余曲折を経ながら、準備を加速しています。
中国銀行が株式会社を設立したのに引き続き、
建設銀行でも株式会社設立、
その発足時株主も豪華な顔ぶれです。
また、中国国際航空の上場も控えています。
国際航空の香港上場が実現すれば、
香港市場に南方、東方、国際という
中国航空メジャー三社がそろうことになります。
中国石油天然気(ペトロチャイナ)は
香港だけに上場しています。
全中国企業の売上高ベースで第3位という、
まさしく中国を代表する企業が、
中国本土市場に上場していない、ということは、
中国本土市場の業界関係者に
最もやきもきさせる事態といえます。
ただし、以前にも紹介した通り、
中国石油天然気は
A株でのIPO(新規株式公開)を検討している
ともいわれています。
うまくいかないもので、
現在の低迷続く中国本土市場では、
中国石油天然気のA株IPOがもし実現しても、
それが大型過ぎるので、
逆に資金の需給バランスが崩壊、
中国本土市場に悪影響を与えることになる、
というのも以前に紹介しました。
また、2002年以来の中国大手通信キャリアの
中国網通(チャイナネットコム)も香港に上場します。
10月にも実現するのではないかとみられています。
ただし、ここ半年以上、
すでにいろいろと
上場準備などの動きが伝えられてきましたが、
中国網通の上場場所の候補の中で、
中国本土市場が挙げられることは
ほとんどありませんでした。
大型で有望な企業が
「海外に逃げる」ことを
警戒する気持ちは分かりますが、
やはりそれは自業自得、
まずは中国本土市場の改革及び改善を
進めるべきなのでしょう。
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