第120回
ペトロチャイナのA株IPOが実現すればどうなるか
中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)による
A株のIPO(新規株式公開)計画が進んでいる
との報道が流れています。
これが実現すれば、否、この情報が流れること自体、
すでに香港と中国本土に大きな影響を与えています。
中国石油天然気はあまりにも有名な銘柄です。
バフェット氏が着目したこともあって、
日本における中国株取り引きの
代表的な銘柄といえるでしょう。
中国石油業界では最大手、
売り上げベースでは、
中国でも一、二を争う巨大企業です。
中国石油天然気の最終利益は
香港上場企業な中でもトップクラスです。
時価総額も世界最大手の金融グループである
HSBC(0005)には及ばないものの、
やはりかなり大きなウエイトを占めています
(総発行株式数ベース)。
その中国石油天然気が
A株のIPOを実施した場合、
どうなるでしょう?
まず、香港上場のH株の株価に対しては、
当初、希薄化が起こり、
価格の下落を引き起こす可能性は否定できません。
ただし、A株市場は
PER(株価収益率)が高く、
株価に高い値がつけられることも考えられますので、
中長期的に見れば、中国石油天然気のH株株価は
若干高めに想定されるA株価格に
徐々に接近するような、
再評価の材料にもなることも考えられます。
さらに、中国石油天然気の総発行株式数は、
現在までに中国本土A株市場で最大とされる
中国石油化工(シノペックコーポ、600028、0386)の
2倍程度に相当しています。
中国石油化工が
2001年8月にA株に上場した際、
その資金調達額は118億元程度となりましたが、
中国石油天然気の場合、
当然200億元以上にはなりそうで、
ある報道では300億元程度になるのではないかとも、
また400億元になるのではないかとも言われています。
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