第119回
遠東生物製薬暴落の真相、P株のリスクとは?

薬品生産・プロモーション・販売を手がける
遠東生物製薬(0399)が
6月17日の取り引きで、
株価が90%以上暴落したことについて、
現在まで情報が錯綜していますが、
真偽まとめて羅列してみると以下のようになります。

1.6億2400万香港ドルのシンジケートローンを
  借り受けた

2.17日の取り引きで大手証券会社の国泰君安証券が
  同社の1億3980万株(総発行株式数の6%)を
  放出していた

3.同社が税務局の調査を受けていた

4.Wall Investment Group Limitedも、
  21日に1株当たり0.09香港ドルで3億4400万株を売却、
  持ち株比率が56.41%から40.6%に引き下げていた

5.17日に時富證券が1億8620万株を売却していた

6.同社の蔡崇真・主席が脱税、文書偽造の罪で、
  中国の公安当局に逮捕されていたと報じられた

7.その逮捕報道を一部同社が否定した

真相はまだまだ不明です。
ただ、状況から判断して、
シンジケートローンに絡む財務上の問題に
疑問を持った機関投資家が売りに走った、
あるいは、別件の可能性も捨て切れませんが、
企業トップが何らかの罪状を当局に追求されていた、
といったあたりが、真相なのかもしれません。

中国の民間企業がすべて同じような
リスクがあるとはいいません。
実際、P株の代表でもある
H株の浙江ガラス(0739)は、
7月22日に中間決算の増益を発表、
一時、遠東生物製薬の暴落の影響を受けた
株価のパフォーマンスも復調して、
堅調に推移しつつあります。

ただし、同じくP株である超大現代農業は、
遠東生物製薬の株価暴落を受け、
自身の株価も一時下降しましたが、
さらに、P株に対する市場の冷遇によって、
社債の発行を含む資金調達計画が頓挫するという
一幕もありました。

超大現代農業自身は、社債の発行中止について、
潤沢な自己資金があるためとし、
同社の経営に影響のないことを強調しています。

超大現代農業の社債発行中止が、
P株に対する冷めた市場の態度による
ものだったとしても、
超大現代農業自身に非はありません。
確かに、今回の件自体は、
超大現代農業の経営に大きな影響を
与えないかもしれませんが、
同じP株というだけで、
資金調達計画が頓挫するというのは、
今後、よくよく考えていかなければならない
リスクの一つを示唆しているといえます。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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