第114回
BMW生産の華晨中国汽車、トップ巡って若干複雑?
中国株の企業家の「失踪」で、
最も代表的なものは
華晨中国汽車(ブリリアンスチャイナ、1114)
と関係の深い仰融氏です。
欧亜集団主席の楊斌氏が逮捕だったのと比べて、
仰融氏は「純粋な失踪」(?)といえます。
やはり2002年のことです。
ただし、やはりその時も
「失踪疑惑」にとどまっています。
華晨中国汽車は2002年5月、
地元の遼寧省瀋陽市政府に資産の接収を宣告され、
翌月6月には当時、華晨中国汽車の主席だった
仰融氏による「国有資産乗っ取り」疑惑が
浮上しました。
当の仰融氏は同年5月から
米ロスアンジェルスに「逃亡」していた、
という話です。
その後、華晨中国汽車は、
仰融氏との決別を宣言、
一部資産の市政府への接収も行なわれています。
ただし、仰融氏自身、
現在までに華晨中国汽車の系列にあたる
圓通科技(コンパスパシフィック、1188)の
主席に収まっています。どうやら複雑です。
ずいぶん以前になりますが、
華晨中国汽車については、
BMWの中国生産及び販売を始めるなど、
注目すべき自動車メーカーとして紹介しました。
2004年5月以降、中国における
自動車販売状況が芳しくなく、
7月の時点で、
自動車銘柄全般の株価のパフォーマンスは
軒並み低調で、
華晨中国汽車も例外ではないのですが、
華晨中国汽車の業績自体は一応好調で、
面白い銘柄の一つには変わりありません。
ただし、過去にそうした複雑な背景があることは
リスク要因として考えておきたいところです。
今年7月になって、
この仰融氏にからむ大きな問題が再燃、
華晨中国汽車の株価下落にもつながりました。
7月に入って、
華晨中国汽車は7日に2.5香港ドルをつけましたが、
その後、15日までに2.1香港ドルまで下げています。
その1週間ほどで16%の下げ幅になります。
自動車販売が低調に転じていることも
一つの要因ですが、
もう一つ、
海南華銀事件と呼ばれるものが
8日に起きています。
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