第113回
「社会的圧力」で民間企業家や民間企業は高リスク

2002年10月、一時は北朝鮮新義州特区の
長官にまで任命された欧亜集団主席の
楊斌氏が逮捕されたという一幕。
その傘下の
欧亜農業(ユーロアグリ、当時0932)は
急成長銘柄として注目されていました。

逮捕以前、欧亜農業を視察に訪れたアナリストが、
欧亜農業の業績や経営に対して
太鼓判を押したこともあったといいます。
欧亜農業は、実にうまく、
アナリストに対して、自社を喧伝したようです。

逮捕直前、楊斌氏は当時、中国第二の大富豪で、
個人総資産は9億ドルにも達するとされていました。
急な逮捕劇は世間をあっと言わせましたが、
当然、欧亜農業も上場廃止となっています。

この一件以降、私は中国の民間企業家は
「危ない」という考え方をより一層強めました。
誤解があると困るのですが、
この「危ない」というのは、
中国の民間企業家すべてを
対象にしているわけでもなく、
また、極論してしまえば、
彼ら自身に非がなくても、
やはり「危ない」ということです。

いくら高度成長を果たしている中国とはいえ、
起業して、ビジネスに成功して、
莫大な資産を蓄えるその過程には、
当然、グレーな部分も
通らなければならないでしょう。

短期間に成功を収めようとすれば、
どうしても無理が生じますし、
それはある意味でやむをえないことです。
中国の方にお話を聞くと、
そうした部分は時には
「公認」される場合もあるといいます。
一方で、民間企業に限りませんが、
中国においては企業家の「不祥事」は
後を絶ちません。

彼らの「不正」は、
いわば社会的な圧力によって
暴かれたようなものといえます。
そうした社会的圧力が存在する現状の中国において、
民間企業家や民間企業は
高リスク、ということになります。

中国株はそもそもがある意味で
高リスクですので、
選別すべき銘柄は極力低リスクのものにかぎります。
社会的な圧力とは関わらない、
国策に準ずるような安定銘柄を見定める必要がある、
と訴えるのはそのためです。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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