| 第974回ビストロではなく居酒屋が村澤牛を出している、
 びすとろ ぷらむ 1
 長野の村澤氏が育成したこの「村澤牛」は、「畳の上で育てた」とのキャッチで有名です。
 東京であまり知られていませんが、
 長野の牛なのに京都の店でしか扱っていないとか。
 最近は、「松坂牛」や「三田牛」など
 メジャーではない、
 個人や一法人が商標登録した牛を持て囃す風潮があるようです。
 既得権が確立された銘柄牛ではなく、新参者が旨みをつかむには、
 手のついていない銘柄を無理に煽って
 カリスマ化することが必要なのでしょう。
 「大田原牛」は、
 BMSといったあまり一般に認知されていない専門的な
 「サシの入り具合基準」を持ち出し、
 1年余計に肥育する(つまり人間でいう中年太りか)こと、
 値付けを何倍も高価にする、などの奇策で
 味のわからない業界人や裸の王様来栖氏などを取り込みました。
 ただの油ギトギトなだけの
 単なる「去勢牛」というのが実態のようで、
 この肉を翌朝も胃もたれせず、
 うまいと感じて食べきる人の感覚を私は疑ってしまいます。
 そして、この「村澤牛」。畳で育てても肉質に変化がでるはずもなく、
 畳で育てるほど村澤氏が大事に育てたという意味なのでしょうが、
 それほど質に違いがでるものなのかどうか。
 「村澤牛」でググると、ネット販売のHPが第一にでてきます。
 垢抜けないHPは、「大田原牛」と同じ。
 一生産者が肥育している割に、
 予約制とはいえネットで販売できるほど生産量が多いものなのか。
 京都の肉屋へもかなり卸しているようですから、疑問が残ります。
 村澤牛に興味を覚えたミーハーな友里は、それを扱っている料理店を京都で探しました。
 京都在住の知人の案内で、祇園は新橋通りにある、
 現地で有名な「びすとろ ぷらむ」を訪問したのです。
 <明日につづく> |