第850回
J.C.オカザワ氏の新書を他山の石として 6
オカザワ氏への店からの反論が面白い
友里の拙著や夕刊紙のコラムに対し、
名乗りを挙げて出版元へ抗議をしてきた店は、
都内のフレンチと小さな中華店の2店だけだったと記憶しています。
店のHPなどネットでも、
公に反論してきた店はなかったと思います。
もう時効のようなものなので初めて書きますが、
せこくカード会社へ、「料金を取りすぎて返金したいので
住所や電話番号などを教えてくれ」と偽って
個人情報を聞き出そうとしてきた主人がいましたが、
さすがにカード会社は教えなかったようです。
カード会社と店が相殺することによって、
間接的に私へ返金する方法をカード会社に指示しましたが、
未だに返金してこないところをみると、
主人が嘘をつくという非合法な手法をとってまで
私の個人情報を入手して、
殴りこみをかけようとしていたことがわかります。
公にしてしまうと、結構有名なこの店の信用と
今後の集客に大きな影響を与えてしまうのでこの2年以上、
このことに関しては誰にも話しておりませんでした。
今後も影響が大きすぎるので、
具体的な店名の公表をするつもりはありませんが、
ホント嘘っぱちで短絡的な料理人がいるのは事実であります。
堂々と名乗って文書などで抗議するのならわかりますけど、
選んだ手段があまりにせこい。
ところで、オカザワ氏のこの本に
真っ向からHPで堂々と反論を展開している店があることを
読者の方から教えていただきました。
誰でも見られますので皆さんも確認してみてください。
この本で、「不満の残る有名店」のいの一番に取り上げている
「神田笹鮨」であります。10/5付けにあります。
有名な鮨屋であるとは思えないのですが、本を読み返してみると、
昼の2千円のチラシにケチをつけていますが、
このような価格でどうこう言うのはいかがなものかと
以前にも書きました。
夜での訪問では、イマイチなタネもあったようですが、
認める鮨もあったようで
どこが「不満の残る」店なのか説得力に欠けたコメント。
街場の鮨屋に対して×マークを出すには根拠が乏しい。
常連客が顔を効かして一見に近い客の肩身が狭くても、
この価格帯の店なら仕方ないのではないか。
さて店側の反論は、
オカザワ氏の記憶が間違っているのではないか、というもの。
指摘したタネを実は扱っていない。
例えば、ヒラメの昆布〆など創業以来やったことがないとか。
味や値段で文句を言っているのではなく、常連客と区別されて
主人から相手にされなかったことが気に触ったのではないか、と。
しかし、当店を「有名店」として扱ってもらったのは嬉しい、
と皮肉を込めた大人の対応での反論にもとれました。
ここはぜひ、オカザワ氏の反論を期待したいものです。
このような店側と評論側の公でのディベートが、
この業界(店側と評論側の両方です)に緊張感を与え、
ひいては一般客の満足、店側のいっそうの向上、
ヨイショと金儲けだけの自称評論家やジャーナリスト、
ライターの駆除に繋がると確信しています。
オカザワ氏はHPなどでコメントを発信していないと思いますから、
どなたかこのことを氏へ連絡していただいて、
よろしければ私のこのコラムにでも登場していただければ
大変ありがたい。
立場は変わって、店側の批判を正面から受け止め、
真摯に回答する彼の度量を見たいものです。
また、私も書こうと思っていたことを笹鮨主人に先を越されました。
オカザワ氏、
実はビールはアサヒのスーパードライが好きなようです。
本でも盛んにこのビールを飲んだ事が書かれております。
しかし、主人は
このビールを好む人にグルメを語ってもらいたくない、
と言っていました。私も同感。
廉価な居酒屋御用達、専門ビールと断言してしまっては
また怒られるかもしれませんが、
このビールを好んで店でオーダーしている食通の方を、
私もオカザワ氏以外見たことも聞いたこともありません。
味音痴とネットで言われている友里でさえ、
家や店ではなんとしてもこのドライを避けるようにしております。
オカザワ氏にはぜひこのことへの反論も期待したい。
このネタをコラムで取り上げる為、
私はわざわざ先日「笹鮨」を訪問しました。
まったくの街場、ショーケースのガラスに直接ツマミを置くなど、
びっくりすることもあった、
元は出前を主体にしていたと聞きます鮨屋。
オカザワ氏は夜でも8千円くらいと書いてあったので、
安心してツマミを鮑、煮イカ、玉子、
握りでは上鮨(3千円)に
追加でコハダ、鯖、牡蠣、ニハマ、干瓢巻きを頼み、
お酒はエビスの中瓶にぬる燗3本を頼んだのですが、
なんと1万2千円以上請求されてしまいました。
なぜ、3千円主体の握りに、
つまみと握り追加でこれほど行ってしまうのか。
8千円ではまったくおさまらなかった不思議。
問題は「上鮨」という最高の「お決まり」にも、
コハダ、ニハマなどが含まれていない点、
そして不明瞭な価格体系でしょう。
私はHPで反論されることを覚悟で敢えて言いたい。
8千円ならば再訪も考えましたが、
1万2千円以上請求されるくらいなら、もう5千円ほど出したら、
「しみづ」などそこそこの江戸前鮨で充分楽しめます。
この価格でも、もっとタネ質の良い鮨が堪能できるはずです。
この不満は、8千円と書いたオカザワ氏へぶつけるものなのか、
請求してきた店へぶつけるものなのか、
コラムのネタ欲しさにわざわざ飛び込んだ友里が
不用意だったのかもしれません。
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