| 第851回二度目で飽きた、蟻月 1
 一昔前、繁華街にはシンボルマークであった赤い幟が辺り一面はためいて、
 そのブレイクは半端でなかった「モツ鍋」は、
 しかしあっという間に沈没しました。
 繁華街や飲み屋街に、極端に言えば、
 10メートル置きに店が乱立していたかもしれません。
 それが、あっという間に消滅してしまったのですから、
 日本人の飽きっぽさというのは半端なものではないようです。
 熱しやすく冷めやすい、現在はジンギスカンが流行というか
 既に峠を越している感もありますが、
 この手の店がニョキニョキ出店してきていますが、
 早晩、同じような道をたどると私は考えます。
 モツ鍋も二度と流行らないだろうとの予測していたのですが、業界人の口コミで
 再び数年前からピンポイント的にブレイクしてきたようです。
 その中でも有名なのが、モツ鍋屋「蟻月」。
 恵比寿駅から徒歩10分、
 今でもまだ流行っているのでしょうか、
 柔らかいだけで肉の味がしない
 「キムカツ」の行列を右手に通り過ごしてからも
 かなりの距離がありますから、立地はあまりよくありません。
 2階建ての一軒屋のようですが、
 共同ビルなら営業は無理ではないでしょうか。
 店に近づいただけでニンニクの匂いを漏れ嗅ぐことになり、
 ドアを開けると目にもしみそうな強烈な刺激臭が襲ってきます。
 鼻が慣れるのに10分はかかるでしょう。
 予約が困難だと知人から煽られ、予約受付の2週間前の15:30から電話を掛け続けましたところ
 話中で本当に繋がりません。
 30分以上経ってからようやく繋がって予約できたのですが、
 私は予約困難に見せるため、
 わざと受話器を上げているのではないかと疑ってしまいました。
 なぜに、モツ鍋ごときで
 こんなに予約に苦労しなければならないのか。
 店内に入った瞬間のこの強烈な匂い攻撃を受けて
 私は思いとどまりましたが、これほどの人気店でなければ、
 食べずに立ち去ってしまったかもしれません。
 <明日につづく> |