第848回
グルメ・セレブリティーズって何だ? 3
シングルルームなんてあるのか
料理店辛口評論と言うより、
ここのところすっかりグルメ本評論に軸足をおいたかのような
ネタ稼ぎをしている友里。
本日も大谷さんを取り上げさせていただきます。
ここまで料理人に擦り寄よって経歴を書く必要があるのか。
何の検証もいれずに、
料理人の口上を元に美談仕立てで書きまくる大谷さんの辞書には
「ヨイショ」はあっても
「プライド」、「矜持」という言葉はないようです。
半分仕事(ネタ探しだけですが)で読んでいても、
その読後感の悪さ、
なにかねっとりした濃厚さに辟易してしまいました。
揚げ足取りとまた批判されるのを承知での今日のお題は
「ナリサワ」のヨイショ文の最後にありました。
高額フレンチである「ナリサワ」では、
ランチでお手頃な4725円のコースだと、
ワインを頼んでも
2人で2万円以内におさまるのでお勧めだとのこと。
安いコースは躊躇されがちだが、
その店のスタンダードなものが盛り込まれているので、
ホテルに一人で泊まる時に
シンプルな「シングルルーム」を選ぶのと同じことだ、と。
なんとなく言いたい事はわかります。
しかし、事例に持ち出した例えが悪い。
「シングルルーム」のあるホテルなんて
限られたところではないでしょうか。
地方のビジネスホテルでは
「シングルルーム」というのがありますが、
「ナリサワ」の事例で出すような格のホテルで果たして
「シングルルーム」があるのかどうか。
昔、大阪の「ロイヤルホテル」では
シングルルームなるものが存在していたと記憶していますが、
今日日、そこそこのホテルで
シングルベッドが一つの小さな部屋などあるとは思えません。
経験不足かもしれませんが、
私は海外でも出くわしたことがありません。
普通のホテルでも、一人で泊まる時は、
ツインベッドかダブルベッドかは選択するでしょうが、
二人で泊まれるスペースの部屋を
「シングルユース」で選ぶはずです。
ボルドーに何年も留学され、
海外旅行の経験も多いと推測される大谷さんが
そのようなシステムをご存じないとは思えません。
何も、彼が日本では「シングルルーム」のある
格の低いホテルにしか泊まっていないのではないか
と言っているのではありません。
何とか店を賞賛し続けたいために、
無理に頭を捻って
次々とヨイショ文を考え出そうと努力しているようですが、
その無理がこんなところに出てしまったという証左でありましょう。
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