第847回
純粋な読者限定本、東京ハッピー・レストラン 1
相変わらず店側に軸足、いや両足を置いている
増刷されなかったので打ち止めだと思っていたのですが、
大谷さんと同じく性懲りもなく又出版されてきました、
犬養裕美子さんの「東京ハッピー・レストラン 06−07」。
今度は表紙がパープル色で、かなりセンスが悪化しております。
厚くなって100円値上げしていますが、
装丁は安く仕上げているのも気になります。
拙著を考えると、人のこと言えませんけど。
私は発売日に早速購入させていただきました。
読み始めてみてびっくり。
どこかで読んだ文だと思って確認しましたところ、
「はじめに」の4ページは、
2003年12月18日発売の第一巻と
多少キャッチを変えているところがありますが、
本文は4ページまるっきり同じです。
行変えも私の確認した範囲で同じでした。
間違って増刷(あり得ない)を買ってしまったと思ったくらいです。
こんな手抜き、許されるのでしょうか。
「純粋な読者」をあまりに見下した蛮行に思いますが、
それを許した「マガジンハウス」の良心を疑いますね。
2年前の時代遅れの文章を臆面もなく再利用しているのですから。
詳しいコメントは、後のシリーズに譲りますが、
今日は今回出版されたこの本での犬養女史のスタンスについて。
相変わらず読者など一般客ではなく、
店、シェフ、マダムに軸足を置いた、
基、両足置いたスタンスを確認しました。
彼女の発想は、レストラン、
正確に言うとその経営者やシェフの性善説の上に
成り立っております。
すべての関係者の性格を疑うことなく、
なにか店で客が不都合を感じたら、
それはまったくの偶然、たまたまであり、
ちゃんといいところを見て評価してもらいたいというものです。
「完璧な店」はないと強調することにより、
不具合を弁解したいようですが、
確かに「完璧」な店はないでしょうけど、
「まったく不完璧、ひどい」店があるのは
「純粋な読者」の方以外なら、
もうとっくにお気づきであると確信しております。
オス牛も扱っているのに、
さも日本一の肉牛のごとく
味音痴な業界人やタレント、ライターを騙して宣伝している
「大田原牛」の「大黒屋総本店」。
値付けも無茶苦茶です。
オスの仔牛をいくらで仕入れているか開陳できるのでしょうか。
こんな店が巷にまだまだ「跋扈」しているのですから、
気恥ずかしいといいながら
「ジャーナリスト」と名乗っているなら、
少しは一般客のためになるよう、
このような店に対して、
ジャーナリスティックにメスを入れてもらいたいものです、
犬養さん。
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