第787回
何年も前からワンパターンの原稿だよ、田崎さん
先日のコラムで大変な失態を演じてしまいました。
半年以上前に載せた「ゲンテン」に関するものを、
再度載せてしまったのです。
コラムのタイトルは表にして管理しておりまして、
いつもは検索をかけてダブっていないか確認するのですが、
ボケッとしていたのか気がつきませんでした。
日刊ゲンダイに掲載した元ネタを利用しており、
多少の加筆修正はしてありましたが、
ほとんど同じ内容が流れてしまったことを
ここにお詫び申し上げます。
同じネタを何回も使い回しするのは確かに良くないかもしれません。
まして原稿料など報酬が伴っている場合は。
しかし、大人の週末10月号で私は
「まだこんな同じことを言い続けているんだ」
と感心と言うかちょっと呆れた記事を読みました。
10年前にホームタウンの有利さからか、
世界最優秀ソムリエになった田崎さん。
その後の活躍は目を瞠るものがありまして、
糟糠の妻を捨てるというと言いすぎでしょうが、
自身を有名にしてくれた「ソムリエ職」を捨てて
タレントや実業家となってビッグになられました。
実際書かれた本や監修した本は60冊を超えるでしょうか。
でも、ワインや料理
(なぜか和食などにも一家言あるようで)に関して
そんなにネタがあるはずがなく、
かなりの部分でダブっていると感じるのは私だけでしょうか。
今回も、ご自分の経験、経歴を振り返りながら、
人生を幸せにするレストランと題して、
よいお店の条件などを述べられております。
が、以前にもコラムでちょっと触れましたが、
何回も目にした具体的内容にはいささか食傷気味に感じた次第です。
「性格の悪い料理人の店にうまいものなし」
これは自称、私のウリのキャッチでして、
このフレーズは私も何回も使用しています。
しかし、彼の手法は、私が
「森ビルなど再開発ビルの飲食店はCPが悪いから行くべからず」
と2年以上前に拙著一冊目で書いた具体的な主張を
何回も持ち出して原稿料を貰っているようなもので、
私には納得できないのです。
いい店の条件として
看板、玄関、化粧室、酒リスト、挨拶、立地条件、調理場
などのチェック項目を挙げていますが、
かなり昔の彼の本で読んで以来、
幾多の雑誌で同じ主張に出会ったことか。
ワインスクールの他、レストラン、ワインバー、
そしてワイン雑誌出版社まで傘下におさめてしまったようですが、
講演や店のプロデュース、TV出演などあまりの多忙で
新しいネタを仕入れる事は難しいのでしょうが、
有料な雑誌の掲載記事なのですから、
なるべく重複しないように気をつけてもらいたいものです。
しかも最近は「看板のない店」が結構注目されています。
看板のない店はどう判断するものなのか。
これほど露出した有名人というか、公人になってしまったのに、
私生活のことで週刊誌や写真誌を賑わせないのも不思議に感じます。
多忙といえどもこちらの方のガードや対策、
根回しには神経をつかっているということでしょうか。
10年前まで現役のソムリエ職だったはず。
現場のスタッフはいわゆる3K職というか、
きつくてかなりの時間拘束されてしまうはずです。
外食の機会はかなり制限されるはずで、
少ない時間、予算をやりくりして
店訪問をしている現役スタッフがほとんどの中、
このように雑誌でフレンチやイタリアンどころか、
和食にまで踏み込んだコメントを残せるほど
ソムリエ職の仕事が楽だったとは思えないのですが、
いつ頃から自称フード・レストランジャーナリストや
料理評論家並に食べまくるようになったのか、
根本的なところが疑問でもあります。
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