第788回
ワインは高いが料理はリーズナブル、ラムゼイ 1
今年後半にオープンする
ミシュラン3つ星シェフ3店のトップを切って、
汐留のホテル コンラッド東京に、
ロンドンから「ゴードン・ラムゼイatコンラッド東京」が
7月1日オープンしました。
高層ビルの上層をホテル施設にし、
和食、中華を含めてレストラン群はフロントと同じ28階に設置。
眺めの良い海側にホテルのバーを配した為、
この店は市街側、つまり隣の高層ビルの横っ腹しか見えず
眺望は期待でません。
しかし、天井の高さ、スタイリッシュな内装と雰囲気はまずまず。
3つ星店の素晴らしいサービスと料理が提供されれば、
満足して帰る事ができたのですが・・・
予約システムがオープン間際まで決まっておらず、
一ヶ月前の仮予約が無効になりかけ出足から躓いての入店。
料理は明日のコラムに譲るとして、ワインリストに驚きました。
ノンヴィンのシャンパーニュが8千円弱で
まずまず安かったのですが、それ以外は法外な値付けです。
3つ星店ですからブルゴーニュワインでもとリストを見ると、
村名ワインで1万5千円を軽く超え、
1級畑で2万5千円近く、
カリスマ造り手のワインは軽く4万円超と
日本の小売相場の3倍は行っています。
1万円以下は数本しかなく、
イタリア物やカリフォルニア物に逃げるしか手がありません。
しかし、狙った1万円前後の安めのワインが3種以上、
品切れだと断られました。
オープン直後ですよ。
どういう在庫管理なのか、仕入れシステムなのでしょうか。
更に日本を舐めていると感じたのが
「ロマネ コンティ‘89」の価格。なんと225万円。
仕入相場の4倍はかましているとの私の発言を、
知人を経由して聞いた外人支配人は、
「希少で素晴らしいワインで相場と変わらぬ値付け」
と開き直った回答をしてきました。
そこで、知合いのインポーターを介して
ロンドンのワイン商の相場を調査したら、
40〜60万円の範囲で購入可能と判明、
更なる調査で、
東京の「アピシウス」では店売りで86年物が60万円台、
銀座の「ル シズイエム サンス」では、
64年物でも100万円であると日本の市場を連絡したのですが、
支配人は認めようとはしませんでした。
日本の市場調査をせず強気の態度の支配人が、
怒りを越えて滑稽に見えてしまいました。
<明日につづく>
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