| 第767回店名だけではなく魂まで置いてきたのか、ゲンテン 1
 またまた銀座へ唆されて進出してきた料理人がいました。山本益博氏がここ数年、雑誌や週刊誌などで絶賛していた
 秋田は角館の「一行樹」という創作和食屋。
 秋田の食材を使い、エルブジを模倣した和食で、
 全国的に食通が訪れていたと雑誌では紹介されていました。
 昨年12月はじめ、私は銀座に移転してくると知り、その店名「Ryo-ri Genten」というネーミングと共に唖然。
 ゲンテンというブランドを持つバッグメーカーに身を任せ、
 角館の店は閉めて銀座へ上京、
 店名は秋田食材を使った和食屋とは到底想像つかない
 スポンサー名を冠したダイニング系になってしまったのです。
 本業のバッグの販促にもなるとの出資側の判断でしょう。
 ダイニング調の内装、厨房は若いスタッフ、
 ホールにマダムは不在で
 和食には慣れていない歳とったスタッフが二人、
 と角館の店とはまったく雰囲気が異なってしまったようです。
 厨房に詰めているようですが、
 高橋料理人は
 角館に店名と料理人魂を置いてきてしまったと考えます。
 持て囃していたマスヒロ氏、おそらく銀座進出を持ちかけて、ゲンテン社長に紹介したのでしょう。
 ホールスタッフは、
 「山本益博さんがプロデュースした」と自慢していました。
 しかし、自らプロデュースした店を、
 週刊現代1/8・15号の自分のコラム
 「イチ押しの50皿」で取り上るのは、
 評論ではなく立派な「宣伝行為」ではないでしょうか。
 高橋氏だけではなく、マスヒロ氏も「料理評論家としての矜持」を
 いつの間にか置き忘れてしまったようです。
 昼は3千円のコースでデザートを入れて5皿。夜の6300円は酒蒸しなど2皿が増えるだけ。
 1万500円のコースは、牛に代えて真鴨になり、5皿が増えます。
 でもこれは手抜きというもの。
 つまり、昼夜続けて行くと、確実に4皿はダブってしまうからです。
 (現在、昼・夜とも価格が値上がっているようです)
 <明日につづく> |