自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第768回
店名だけではなく魂まで置いてきたのか、ゲンテン 2

私は12月、1月と2ヶ月にまたがって訪問しましたが、
メニューは同じでした。
料理のレパートリーがあまりに少ないのです。
過去のメニューをネットで調べた私はより驚きました。
昨年2月、六本木ヒルズで開催されたイヴェントで出た料理とは、
蟹湯葉揚げ、きりたんぽのテリーヌ、
いぶりがっこのミルフィーユ、冬野菜出汁のジュレ、焼きおにぎり
と銀座店と5皿がほとんど同じ。
10月の一行樹のメニューでもなんと、
きんき酒蒸し、真鴨のローストを含めて6皿が同じでした。

ウリである天麩羅につける
ヌーベ(店汁とゼラチンをまぜた泡状のも)は、
天麩羅自体が並なので、天汁だけに拘るのは本末転倒。
しかも段々くどくなって来て直ぐ飽きます。
きりたんぽのテリーヌも、和食としては斬新でしょうが、
最近はフレンチでよく見る野菜のテリーヌのただのきりたんぽ版。
1回食べれば充分ですが、毎回出てくるのですから信じられません。

今時湯葉揚げが珍しい訳でもなく、
いぶりがっこのミルフィーユはレモンバターで甘く、
おにぎりの前に出てくるのはいかがなものか。
冬野菜のジュレ、
素揚げした小さなフカヒレの茶碗蒸しも捻っていますが、
肝心の食材や味わいに心打たれるものを感じませんでした。

日本酒は高くはないが、ワインは白1種、赤4種と種類が少なく
パッとしないものばかり。
大したものを置けないならばやめたほうがいいでしょう。
ワインに詳しくないマスヒロ氏のプロデュースの限界です。

<結論>
ランチならば支払額のダメージが少ないので、
話のタネに一回だけならお勧めします。
しかし、捻った創作料理のはずなのに、
1年経っても内容が変わらないワンパターンでは、
銀座で直ぐ飽きられることでしょう。
マスヒロ氏のアドヴァイスって、
森ビルをはじめ成功したことがあるのでしょうか。
つい最近週末の金曜に通りがかりましたが、
夜だというのに客は1組だけ。
今更角館に帰る事はできないでしょうが、
高橋料理長はマスヒロさんに唆されての銀座進出を
後悔していることでしょう。


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2005年9月28日(水)

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