自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第692回
なぜあんなに客が入っているのか、CICADA

先日のコラムでは、
中身の割に客が入りすぎている寿司屋を取り上げましたが、
今日は同じく過大評価されていると私が思う南麻布の地中海料理?
「CICADA」について述べてみたいと思います。

連夜満席なんですね、これが。しかも半数近くが外人です。
立地は広尾・麻布近辺では最悪なところだと思うのですが、
なぜか流行っている不思議。

以前は「イ ピゼッリ」というイタリアンでした。
あの小泉さんが首相に成りたての頃、
一回訪れて新聞首相動向欄に載ったと記憶していますが、
当夜SPが警戒している所を偶然通りかかった私は、
なぜこの店に入ったのか不思議でした。
まったく流行っていなかった店だったからですが、
流行り廃りに関係なく、
小泉さんの行く店に旨い店少なし、の定説は健在のようです。
「赤坂砂場」、「権八」、「冨麗華」など
さしておいしい店と思えない店に行っていますからね。

さてこの「CICADA」近辺では飲食店が苦戦しています。
あるビルの地下のピッツェリアが
いつの間にか焼肉屋になりましたが依然として不振。
味はまともだと思っていたフレンチ?の「DD」は
やはり不振でワインバーに改装と迷走した結果閉店。
こんどは海南鶏飯屋になっていますが、
ホリエモンが通っているヒルズのお店とは違って
思ったように客が入っていないようです。
そんな立地の悪いところで、
なぜか勝ち残っているのが「CICADA」。
ランチのタジンというエスニックな魚貝の煮込みは、
クスクスとサラダがついて1500円。
夜は単品料理で、パスタも出す
イタリアンとスパニッシュの融合料理のようなものです。
グラスで飲めるシェリーが10種あり、
グラスワインも赤白かなりの種類を用意していて、
バルとしての使い勝手は良いでしょうが、
生ハムは別にして、メインの肉系は、
火が入りすぎたパサパサの旨みのないものなど、
大箱店の厨房スタッフのレベルの問題が典型的にでています。
ワインもボトルの値付けは安くはありません。

ざわざわとした小洒落た居酒屋としての利用価値で
外人なども通っているようですが、
料理自体に期待していく店ではないでしょう。
そういえば、この界隈の飲食店であまり外人を見かけません。
場所柄、外人の住居率は高いはずですから
もっと色々な店でみかけてもいいはずなんですが、
「CIKADA」が一手に
料理に拘らない外人を引き受けているので、
この立地でも盛況なのか、と納得している友里です。


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2005年7月2日(土)

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