| 第693回ワインの諸々 63
 残ったワインはどこへ?
 
 東京ではあまり見られないサービスに、関西の有名店で遭遇して私は驚きました。
 京都の有名イタリアン「イル ギオットーネ」での
 ワインサービスです。
 以前大阪の「ポンテベッキオ」を取り上げた時述べましたが、
 さして安いとは思えないワインリストですが、
 ハーフ対応というのでしょうか、
 きっちり半値で半分飲ませてくれるというのです。
 しかも、両店とも残った半分ではなく、
 新しいものを目の前で抜栓していました。
 私は、今秋、なんと丸の内に出店してくるという「ギオットーネ」の情報を聞きつけ、
 勘違いして出店してくる丸の内店との比較のために是非、
 今のうちに京都の本店を訪問しなければと
 頑張って予約して突入しました。
 肝心の料理は、京都にあってこそ人気がでているだけのこと、
 競争の激しい東京に出てきたら埋没すると感じましたが、
 本人はわからないのでしょうね。
 また、周りで推す人たちがいるから
 舞い上がってしまったようですが、
 地方から上京して何年もうまくいっている店があるかどうか。
 先達の料理人たちの悲劇を学習していないと考えます。
 さて、このワインの半額・ハーフ対応サービス。元々のボトルの値付けを仕入れの2倍以上で設定していますから、
 キャッシュフロー的には半額で売っても損にはならないでしょう。
 残りをスタッフで飲んでも構わないでしょうし、
 業界人とか芸能人、
 俄かワイン通にうまくプレゼンして飲ませてしまえば
 その分利益は回収できます。
 東京でもグランメゾンで常連になりますと、
 このようなサービスに運良くあたることがありますが、
 その場合は大抵、
 入り口付近で芸能人が食べている時だけだと聞きました。
 業界人、芸能人も一般常連客に貢献しているということでしょうか。
 逆の場合、つまり芸能人や業界人があけた残りを
 一般客がいただくという場合もあるようですけど。
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