自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第681回
盛況なのが不思議でならない、六覺燈 1

交詢ビルの飲食店の中では、
「よねむら」と並んで4階では数少ない繁盛店の「六覺燈」。
「ろっかくてい」と読むんだそうです。
大阪で串揚げと無理に合わせたワインで評判をとって十年以上、
満を持しての銀座進出であります。
当初は12時から通し営業で
昼夜同じ1万500円の1コース制の串揚げを出すとう強気の方針。
昼から夜と同じ量の串揚げが食べられるものか、
と思っていたのですが、
オープン一ヶ月ほどで、早々と営業方針を転換してきました。
ランチではやはり高すぎ、
量も多すぎで客が来なかったのでしょうか、
1ヶ月後には、昼は予約があった場合だけ開く、
夜専門店になってしまいました。
マーケティングというか世間の人の嗜好の調査不足でしょう。
三井不動産からも
適切なアドヴァイスがまったくなかったことと想像します。

入り口からは何の店だかわからない怪しい雰囲気。
同じく大阪が本家と思われる多店舗チェーン展開の串揚げ屋、
「串の坊」とは一線を画したいのか、
隠れ家的なダイニング調をとった外観、内装で、
10席ほどのカウンターとテーブル席のホールにわかれております。
店主が拘っているワインを、
上品な串揚げと一緒に出すとの評判ですが、
入った瞬間から店内では上品さをまったく感じません。
ワインに拘る店だとのことですが、
狭いカウンター席は禁煙ではないのです。
ほとんどの客、かなりの割合で同伴カップルがいるのですが、
プカプカとタバコを吸っているのです。
業界人のような男性グループもいますが、
彼らも喫煙には寛容なようです。
真のワイン好きに喫煙者はいませんから、
この店の主客はワインラヴァーとは決して言えません。
そしてこの店も銀座価格、交詢ビル価格です。
大阪では内容の変わらないこのコース料理が7千円チョイ。
東京は銀座のビルに進出ということで、
大阪より3割以上プレミアをつけてきていました。
カウンター客に対して串揚げを担当するのは
大阪の店を留守にして銀座に賭けたご主人その人。
しかし、
大阪では最近は串揚げという実働をしていなかったと聞くと、
引けてしまうのは私だけではないでしょう。

<明日につづく>


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2005年6月21日(火)

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