| 第605回勘違い移転で集客失敗の典型例、趙楊 その3
 
 では肝心の料理が価格に見合ったものなのかどうか、乗りはしませんでしたが昼夜訪問して結論はでました。
 料理内容は変わらずというか低下しているとも思われ、
 価格だけが上がっているだけ、
 これでは客が入らないのは当然です。
 この店だけではなく他の店もかなりの不振だからでしょうか、交詢ビル側もいくつかの手を打ってきました。
 総合パンフを一新、各店1ページ使って紹介するなど内容を充実、
 ランチ用のパンフも新たに印刷しております。
 そして価格の指導もあったのでしょうか。
 現時点では、この「趙楊」のランチ時には、
 単品以外に4千円、5千円のコースを新設、
 夜も最低価格コースが9千円から6500円と
 食材などを落としていますが
 客単価が安くなるよう設定しなおしてきました。
 しかし物事は最初が肝心です。
 オープンして半年もたたず上辺の修正をするだけでは、
 逆に客に足元を見られてしまうでしょうから、
 即効性は期待できないでしょう。
 今回の取材では、後出しの安いコースなどではなく、
 オープン時からあるオリジナルのコースに挑戦しました。
 全席喫煙可なのでテーブルには必ず灰皿が置いてあります。出されたオシボリは移転で交換しなかったのでしょうか、
 かなり使い込んだ、へたったものでした。
 まず昼は定番の陳麻婆豆腐をオーダー。しかし疎らな客が頼んでいるのは
 安い(といっても1500円前後)麺類か水餃子ばかり。
 ビールも高い。生が1千円、瓶が900円もします。
 フレンチのグランメゾンより高いのではないでしょうか。
 カメだし紹興酒も1合1千円です。
 陳麻婆豆腐だけではなく、
 他の客が頼んだ麺類もオーダーしてわずか数分で出てきます。
 あまりの調理の速さに造りおきの疑念が浮かびます。
 肝心の陳麻婆豆腐ですが、
 花椒をかなり節約したか質を落としたのでしょう。
 麻、つまり痺れがなくなりました。
 量も少なく他店では1400円程度のもの、
 まったく凡庸になっておりました。
 メニューには中国茶各種と書いてありましたが、
 聞いてみたらウーロンとジャスミンしかないとのこと。
 見栄で書いているのでしょうが実態が伴っておりません。
 <明日に続く> |