第604回
勘違い移転で集客失敗の典型例、趙楊 その2
まず店構え。
街場の中華だったのですが、
入り口正面には威圧感ある衝立を配置、
テーブルや器も見栄を張ったのか高級感のあるものになっています。
前店の面影がありません。
4人掛けが7卓に円卓、
そして個室まで用意されているキャパにもびっくり。
そしてスタッフ。
今までは片言の日本語をしゃべる男性スタッフだったのですが、
チャイナドレスの若い女性とマダムらしき人に入れ替わりました。
メニューも驚くべき変身を遂げていました。
ランチはなくなり、昼は単品料理かコースが8千円。
(現在は不人気で昼夜とも値下げコースも設定しています)
移転前の夜よりも高いコースに驚きです。
しかも単品は、前菜や麺類、水餃子など安いもので1500円前後、
普通の料理は2000〜3500円と高級中華店並みの価格。
3〜4割は値上げしています。
人気だった陳麻婆豆腐は1800円からなんと2400円になっていました。
しかも量が減ったように感じます。
昼時に気安く食べる中華の範囲をはるかに越えてしまったのです。
夜は更に驚きです。
単品注文には応じず、すべてコース対応。
しかも最低コースで9千円です。
そして、1万2千円、1万8千円、2万5千円、
3万2千円コースまであります。
オープン初日に店先のメニューをみて私はしばし呆然。
ここまで気持ちよく勘違いしてしまった主人に驚きました。
今までが客単価5千円前後だったのです。
一気に3倍以上の売り上げ増を狙ってきたのですから、
主人は相当な自信家なのでしょう。
しかし私の予想通り。
交詢ビルへ行くたびに気になってチェックしているのですが、
昼時はせいぜい数組、ひどいときは誰も入っておりません。
夜も数組でしょうか、
活況だった新橋時代とはまったく違った寂しい店内を
ビル内で晒しておりました。
不振を続ける交詢ビルの料理店の中でも、
やはり値付けが高すぎた豚カツの「かつぜん」と並ぶ
不入り店の横綱格となっております。
<明日に続く>
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