自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第598回
オープン時はよかった、メルヴェイユ 2

料理はコースが冷・温の前菜、魚、肉、
デセールにテがついて6500円。
各料理は3種から選べるプチプリフィクスタイプです。
アラカルトは前菜が2千円前後、
魚、肉は3千円から4千円の範囲で各5種類ほどあります。
結論から言わせていただくと、
この店ではコースを頼む方がいいでしょう。
両方試しましたが、
アラカルトは前菜、メインの2皿では量に不満。
というか、コースの各4皿がしっかりボリュームがあり、
料理もしっかり造られているのでお得感があるのです。
メニューにないですが本店というか「オストラル」で定番の
「野菜のモザイク風テリーヌ」もコースで注文可、
その他食材があれば
メニューにないスペシャリテにも対応してくれるようです。
肝心の料理は、本店のスタイルを継承しながら、
ソースのベースなどを若干変えて新鮮味を出しています。
なかなかおいしい部類の料理。
この価格では量、味わいともに充分満足するものと考えます。
サービスは男性2人に女性が1人。
10卓と小さな個室1つのキャパなので数は充分でしょうが、
女性は料理の説明が出来ないなどまだ改善の余地はあるようです。

そしてもう一言。ワインが安くありません。
ノンヴィンのシャンパーニュが9660円と高い値付け。
安め、普通、高めと
3つのカテゴリーに分けたリストは見やすいアイデアですが、
白は小売の2倍以上、
赤はややそれより安めだが高い根付けとあっては、
村名ワインでさえ1万円前後で金額的に頼みにくいと考えます。
コースを頼んで、村名の安めのワインを飲んで一人1万円チョイ。
ワインの値付けの高さを料理の味と価格がカバーして、
食後感は悪くありません。

その後の再訪結果
今年になって再訪しました。
客は思ったより少なく満席ではありません。
コースは6500円のほか、
8500円と1万円以上のシェフお任せが増えていました。
オープン時との大きな違いは、
6500円コースでチョイスできる料理に
魅力的なものがほとんどなくなっていることです。
そして、他のアラカルトメニューからのチョイスは
出来なくなっておりました。
すべてアラカルトメニューから選択したい場合は、
新たに設定された8500円のコースを頼まなければならないのです。
これでは、実質2000円の値上げに等しく、
ワインは相変わらず安い値付けではありませんから、
結構飲むと一人1万5千円はこえてしまうことになるでしょう。
客足が落ちたように見える原因が
ここにあるのではないかと考えます。

<結論>
最近オープンしたフレンチでは、
ワインは高いがトータルではCPが良いと感じる店だったが、
安いコースに魅力的な料理がなくなったので、
安めの内装の安くはない、ややおいしいフレンチという、
大きなウリがなくなった店になってしまった。
この内装などを考えると、
6500円を主体にして頑張ってもらいたかった。


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2005年3月30日(水)

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