自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第567回
ワインの諸々 その50
魔法のスティック?

今年はじめ、
読者の方から面白いワイングッズを教えていただきました。
ソムリエだかワイン醸造家だか確かではありませんが、
10年の歳月をかけて開発した
ワイン熟成促進のスティックとのこと。
棒の先に触媒のようなものが貼り付けてあり、
グラスに注いだワインに浸すだけで、
そのワインが熟成するという触れ込みです。
浸す時間は秒単位。
1秒浸すと1年熟成するということで、
この秒単位でのコントロールに10年の日時を要したとのことでした。
価格は、ポケットに入るものと棒状のものの2種で、8千円ほど。
変な装飾を施したデラックス版もありますが、
かえって安く見えそうで必要ないでしょう。

早速ネットで購入したのですが、使ったのは1回だけです。
熟成したワインに使うものではありませんし、
デイリーワインでも
7〜8年経った安いワインを探して飲んでいるので、
買ってから気づいたのですが
私にはあまり必要のないものであったのです。
そんな中、普段は購入しない近所の「カクヤス」で無理に見つけた
2002年ものボルドー格付けなしワインを
焼肉屋で飲むとき使用しました。
元々が樽香と味わいのバランスが悪いこの手のワイン。
スティックを浸さないで飲んだ最初の1杯は
「こんなものか」だったのですが、
銅色の触媒のついたスティックを
飲み物に浸すには勇気が要りました。
体に影響はないだろうかとの心配もありましたが、
1〜2秒浸して飲んだところ、
確かに味が変わったように感じました。
人間の先入観と宣伝による
「すりこみ効果」というのは恐ろしいもので、
同席の仲間皆が、味が変わったと言い出します。

しかし、私も含めてみな、「おいしくはならない」と意見が一致、
かくして残りのワインは
スティックを入れずにそのまま飲んだ次第です。

結論は
「たいしておいしくないワインがおいしくなるわけではなく、
かえってそのまま飲んだ方が良い」

最初からおいしいワインに
スティックを入れるような危険を冒すことはできず、
結局我が家ではそのスティックは早々とお蔵入りとなりました。
よってどこのサイトで購入したか、
そのサイトのURLを含めて記録が見当たらないのですが、
埃をかぶった木箱を取り出してみたら、
「CLEF DU VIN」という文字が書いてありました。
ミーハーなのでよく通販で
いろいろなものを購入してしまうのですが、
いつもの通り私には役に立つものではなかったようです。


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2005年2月27日(日)

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