第536回
ジョエル ロブションどころではないはずだ、フォーシーズ
今年はじめ、西麻布のビストロ通り
(今でもこんな呼び名なんでしょうか)を歩いていたら、
いくつかの店の閉店や入れ替わりに気がつきました。
オーナーが変わってから迷走してしまった
「たぬき」と「つくし」は1階が変なワインバー、
2階が街場の鮨屋、
3階も知らない和食屋になっていました。
皇太子が問題発言をしたその日の夜に、
秋篠宮が仲間と入るのを目撃した
苦戦の街場の和食屋「一葉」はまだありましたが、
オープンから絶対駄目だと確信していた「土竜」は閉鎖、
その隣の家庭イタリアンは相変わらず客が入っていません。
なかでも驚いたのが、
3〜4年前の西麻布ブームのときは盛況だった
ヌーベル・シノワの「カーディナス」が立ち退いて、
なんと「ピッツァ サルヴァトーレ」になっていたことでした。
最近はめっきり客が少なくなっていると思っていたのですが、
広尾のほうへ移転したらしく、
かなり大箱だからか「イートイン式」のピザ屋に変身。
しかも店内にかなりの客がいるのです。
ワイズテーブルのHPを見ると、
以前のコラムに書いたとおり着々と店舗を拡大しているようで、
いまや都内は9区にデリバリーできるほどになっています。
ピザ自身を比べると、
ピザーラと比べるまでもなく
こちらのほうが本場に近くおいしいのは事実です。
前にも述べましたが、フォーシーズに危機感はないのでしょうか。
ロブション3店は
どうみても利益を上げているようには見えません。
六本木店にオープン当初の勢いがないですし、高島屋もしかり。
再開した恵比寿は鳴り物入りとはいかないようで、
あまりマスコミにも取り上げられておらず話題になっておりません。
ほかに「トゥー ザ ハーヴス」や
天麩羅など和食も展開しているようですが、
根幹は宅配ピザのはず。
ロブションにうつつをぬかす間に、
本業の宅配ピザで
サルヴァトーレにだいぶ侵食されてしまったのではないでしょうか。
最近新しいピザをいくつか出してきているようですが、
どれも子供騙しで本物志向を感じません。
ロブションとの関係は
マスヒロ氏のコンサルかプロデュースと想像します。
彼は六本木ヒルズにも関係していたといわれていますが、
青柳やソーホーズの問題をみてみても、
彼のアドヴァイスが適切で有効だったとは思えません。
成功しているとはいえないでしょう。
成功してくると見栄が欲しくなってきます。
サラ金や街金をやっている会社が、より世間的に認知されたくて
他の業種へ進出するのはいいですが、失敗する例が多く見られます。
宅配ピザや多店舗展開の廉価な店の経営会社というより、
世界の三星シェフのレストラン経営という
「名」が魅力だったようですが、
マスヒロ氏とは関係なく「実」である本業で
早めに手を打つことが必要ではないかと考えます。
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