第518回
明けましておめでとうございます
皆様、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、私がこのコラムを担当させていただいて
早いもので1年半を越え、二回目の正月を迎えたことになります。
当初はここまで長く続けられるとは夢にも思いませんでした。
おかげさまで、
このコラムのヒット数も右肩上がりの経過のようでして、
一安心しております。
これも読者の皆様方からの情報やネタ提供などの
ご支援のおかげと感謝しております。
友里征耶として拙著を出してから、
私生活もだいぶ変わってしまったような気がします。
前から外食が好きだったのですが、
本コラムや担当している夕刊紙「日刊ゲンダイ」のコラムのため、
新しい店や話題の店、煽られている店へ
突入する回数が激増しました。
しかも、念を入れるため
何回か確認のため再訪することもしばしばで、
時間と蓄えをかなり投入してしまった2年近くともいえます。
反面、気に入っていた店へ行く回数が激減、
問題点がありそうな店(つまり友里的に指摘できる店)を
狙って評価しなければいけないようなプレッシャー、
義務感みたいなものを勝手に感じてしまい、
結果、心から満足した店には
あまり出会えなくなってしまったように思います。
自分では辛口とさえ思っていませんが、
悪口云々、出入り禁止などのフレーズが勝手につけられて、
何か店にいくのが
後ろめたいような気になりそうなこともありました。
とはいえ、この友里が、
「・・・かしらん」、
「食材と出汁の毅然一体となった・・・」、
「神様が与えてくれたひらめきのご褒美をいただいて生まれた
料理人会心の一品」、
「小さな奇跡とよんでよい」
なんて、
大の男が恥じらいもなく言っていいのか疑問の、
歯の浮くようなヨイショ記事を連発しても
誰も喜んでいただけないでしょう。
自分の性格にも合っておりません。
駄目なものは駄目、性格が悪いのは悪い、高すぎる値付けは高い、
と自分の会社の利益を上げるため
料理店や料理人に迎合する
既存の料理評論家、フード・レストランジャーナリストとは異なる、
一般客側に軸足を置いた、
しかし、店側を目の敵にするのではない自然な関係を
今後も保って行きたいと思っております。
この日本にはまだまだタブーはいくつも存在しています。
長島茂雄氏の采配力、吉永小百合氏の演技力などについて、
正面きって本当のことを言えない雰囲気もありますが、
飲食店関係につきましては、
今年もスタンスがぶれることなく追及していきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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