| 第428回本店は満足、サン パウ 2
 
 コースの構成は支店と同じです。当たり前ですか。ミクロメニューと称する4品の一口アミューズ。
 そして3皿ほど更に前菜が続き、魚、肉となります。
 料理の見た目は本店、支店と同じようなのですが、その味わい印象がかなり違います。
 電車の往来も見られる外の景色が美しさ、雰囲気、
 そして低価格といった後押しもあるのでしょうが、
 ほとんどの皿が満足できるおいしさでした。
 スペイン南部の地元料理を食べ続けていたので、
 その反動もあるようですが、
 支店とは調理レベルがかなり違うようです。
 ポーションも本店は充分、
 得意とする「豚料理」がなかったのが残念でしたが、
 支店ではただ、
 「甘さと辛さ」を一皿のなかに対照的にあらわしただけで
 反響しているように感じたのですが、
 本店はうまく調和しておりました。
 「ハケ」の火の通し、「仔羊」、「仔牛の頬肉」も
 満足のものでした。
 予算は昼でしたがいつもの通りの酒量で、一人約120〜130ユーロ。料理価格だけでなく、総額では支店の半値以下となった次第です。
 グラナダの社長は、「サン パウ」の店そのものにほれ込んで、女性シェフを1ヶ月口説いて日本進出を決断させたと言っています。
 しかし、
 まず、「旧東急百貨店跡地」の再開発ビルへ出店という発想、
 かなりの大箱、そして日本風接待用として
 必要以上の豪華主義の店構え、としてしまっては、
 固定費がかかりすぎて、
 本店のコンセプトを再現する事は無理でしょう。
 スペインから船で運んできただけで、
 あれほどワインが高くなってしまうものなのか、
 使用食材やポーションを考えると納得できない料理価格、
 問題点は山積です。
 店構えの雰囲気に飲まれてしまう一部の客層以外は、
 CPが悪く感じるのは当たり前ですね。
 店名や料理形式は似ていても、支店とはまったく食後感が違う本店であることが確認できました。
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