第412回
ワインの諸々 その29
モルトはやはりストレート
バー関係のお仕事をされている読者の方から
先日ご意見をいただきました。
以前のコラムで、
私がモルトウイスキーを飲むスタイルはロックだ、
と書いたのですが、
それは本当の味わいを感じ取る飲み方ではない、
ストレートで飲むべし、
とのことでした。
蒸留酒は旨い酒であればあるほど、
ストレートで飲まなければそのポテンシャルがわからない、
冷やして飲むのはまずいモルトを誤魔化すためと、
飲みやすくして客の頼む杯数を増やし
売り上げを増やす意味があるそうです。
確かに、私は日本酒や紹興酒は主に常温でストレート。
勿論、安くてまずい赤ワインは冷やしますが、
若いシャンパーニュや若い白ワイン以外は
ワインでもあまり冷やして飲みません。
アルコール度の強い蒸留酒を得意としない私は、
ストレートでも飲んだ経験はありましたが、
無意識に飲み易いロックのスタイルを選んでいたようですが、
ご指摘は直ぐに理解できました。
造り手の気持ちを考えると、
得体の知らない人種が、
モルトをロックにする、水で大量に割って飲む、ということは、
イギリス人が日本酒に氷を入れて飲んでいるのを見て
違和感を覚えるのと同じことなのでしょう。
水か必要ならば、チェイサーというのでしょうか、
別のコップにミネラルウォーターを用意しておけばいいのです。
直ぐに自宅にあったモルトで試してみましたが、
確かに強くない私には唇をはじめきつく感じましたが、
香り、甘みと言うか旨みは
ロックでは感じることの出来ないものがありました。
家に在庫しているようなレベルのモルトでもこうですから、
通好みの希少、高級モルトなら
もっとこの飲み方で
その酒の特徴、良さを感じることと推測します。
今後は人の目もあるので、
機会は少ないですが外でモルトを飲む場合は、
ストレート一本で攻めることにします。
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