自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第397回
友里征耶のタブーに挑戦 その10
なぜ鮨業界は女性に閉鎖的なのか

六本木の「鮨 なかむら」で
職人ではなく店内のスタッフ然とした女性が
つけ場に入り込んで仕込みをしていた光景に驚いたあと、
色々訪問した鮨屋を思い浮かべました。

回転すし、100円すし、出前もやっている街場の鮨屋、
客単価1万5千円以上の高額鮨屋。
かなりの数の店を訪問しましたが、
女性の鮨職人を見たことはありません。
フレンチは直ぐに思い浮かびませんが、
イタリアンやスパニッシュでは、
ミシュラン3つ星、2つ星の女性シェフの店もありますし、
和食でもちらほら
女性の料理人がやっている「有名店」を目にします。
(直ぐに思いつくのは、七尾、やまさき)
しかし、場末の店は別にして、
雑誌、料理評論家、
フード・レストランジャーナリストたちが取り上げる鮨屋で、
女性職人のいる店は
いまだかってでてきてないのではないでしょうか。

「鮨 なかむら」での驚きは、
女性が鮨職人だったからではなく、
店のホールスタッフにしか見えない女性が
つけ場で仕込みをやっていたことにあります。
ほとんどの分野が女性にも開放されている現在、
鮨職人を目指す女性がでてこない理由はなんなのでしょうか。

昔気質のオヤジが牛耳る世界なので、
女性は排他されるからでしょうか。
しかし、江戸前の仕事、魚の目利き、包丁仕事、握り、と
女性に不利、出来ないと思われる仕事はないと考えます。
しなやかな指、手の平で握った鮨の方が、
いかついオヤジの握りより繊細で良いかも知れません。

最近はたいして修行しなくても独立して鮨屋を開くことが出来、
料理評論家やフード・レストランジャーナリストを味方につければ
人気鮨屋になれる時代です。
頑固なオヤジの店に入らず、
例えば「鮨 なかむら」のように
修業をしないで鮨屋をオープンする
進取の気性にとんだ女性はいないのでしょうか。
少なくとも、女性フード・レストランジャーナリストは
かなり力を入れて宣伝してくれると思います。


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2004年8月28日(土)

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