自腹ゆえに本音、愛するがゆえに辛口。
友里征耶さんの美味求真

第398回
友里征耶のタブーに挑戦 その11
流行のブランドポークの違いがわかりますか

先日、コレド日本橋の「平田牧場」に並んで
噂の「桃園豚」の厚切り豚カツを食べてきました。
素材の良さは感じましたが、
待たされた割に火が入りすぎ残念に思ったのですが、
この会社のもう一つのブランドポーク、
「三元豚」との違いはどこにあるのか疑問が残りました。
2種を同時に食べ比べれば
その先入観からか味の違い認識できるかもしれません。
しかし、ブラインドで食したら、三元、桃園どころか、
白金、アグー、東京エックス、鹿児島の黒豚、
チンタネーゼ、イベリコと食べ当てる人がいるのか甚だ疑問です。
どれも街場の肉屋で売っている
普通のポークよりおいしいのは事実です。
しかし、そのブランドの区別が果たしてできるのか。
同じ両親から産まれた人間の兄弟姉妹でも、
育った環境も同じなのに性格どころか体系や体質も異なることが
しばしばです。
個々の差が同じくあるとおもわれるブランド豚で、
イベリコが一番だ、何が一番だと主張しているシェフが
よく雑誌に登場しますが、私は眉に唾つけて読んでいます。

昔、元ビール会社の社員から、
ブラインドで飲んだら他社との違いがわからない、
といった内部情報を聞いたことがあります。
私がやや得意とするワインでも、
本当にブラインドで出されたら、世界一ソムリエだろうが、
日本一ソムリエだろうが、巷のソムリエだろうが
そう簡単にはワイン名どころか
品種、ヴィンテージを当てられるものではないのは、
以前のコラムに書きました。

ブランド牛では、伊賀とか三田、松坂など
その肉を見ただけでも専門家はわかるといいますが、
もとの子牛は鹿児島、宮崎など皆同じ産地で、
人間で言えばある程度成熟してから
住所、住民票を変えただけだというのは
現在ではかなり知られており、
私はこれまた眉唾話と考えております。

ブランドポークに限らず、ブランド牛、そして地鶏、
これらは普通の養殖豚、乳牛やただの黒毛や褐毛、短角、
そしてブロイラーよりおいしいが、
ブランドごとの差がわかりにくく、
ブラインドならわかる人はまずいない、といったら
また怒る人がいるでしょうね。


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2004年8月29日(日)

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