| 第382回友里征耶のタブーに挑戦 その7
 市販されている蒲焼の正体は?
 
 先日ある新聞に、フランスのウナギの稚魚が激減しているという記事が載っていました。
 主な生産地は「ラロシェル」というところだそうで、
 水揚げされた生きの良いものは中国へ、
 死んだり弱ったものはスペインへ出荷されるそうです。
 おいおい、スペインで食べる名物料理は
 死にかけた食材なのかとびっくりする反面、
 中国への出荷が増大して乱獲が進んで激減したようですが、
 中国へ出荷された稚魚は
 養殖されて成魚になり、中国で蒲焼に調理されて
 ほとんどが日本へ出荷されていることを知り、驚きました。
 いつの間にか、ウナギの養殖までもが中国へ拠点が移ってしまったようです。
 ところで蒲焼として輸入されたものは
 どこへいっているのでしょうか。
 おそらくスーパーやデパ地下などで売っている
 真空パックもののほか、焼きたてと称して、
 ショーケースで大量に売られている蒲焼もそうなのでしょう。
 街場の鰻屋で捌いているところが見られない店も疑惑が残ります。
 しかし、私はひっかかるのです。東南アジアと欧州のウナギでは、種が違うのではないか。
 確かアングリラ・ジャポニカとアングリラ・アングリラは
 同じ鰻でも形状や味がまったく違うものと聞いた事があります。
 調理法は違いましたが、ボルドーの郊外で食べた
 「ウナギの赤ワイン煮」はぶつ切りでしたが、
 うまいとは思えませんでしたし。
 つまり、大半の日本人が現在口にしているウナギは、いつのまにか東南アジア系の本来のウナギではなく、
 欧州系のウナギになっているということです。
 日本の蒲焼文化も終わりだ、というのはオーバーでしょうか。
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