| 第246回ある週刊誌への取材回答 その7
 今後もレストラン批評を続けて行くか、
 実名で活動する予定はあるか
 ・今後もレストラン批評は各媒体で続けていくご予定でしょうか。また、実名、顔出しで活動されるご予定はございますか。
 <回答>「実名取材」による「特別料理」を「特別待遇」で食べるのは、
 一般読者のためではないと私は主張しています。
 ですから、私側から実名、顔を晒すという事はいたしません。
 レストラン批評は依頼元があって初めてできます。
 私はあくまで一般人ですから、
 出版社、新聞、雑誌、週刊誌などから依頼がないと、
 著者、コラムニストとしての活動ができません。
 私が続ける意思を持っていても、
 ニーズがなければどうしようもありません。
 また、この業界で長く生きていく為には、
 私のようなスタイルは無理でしょう。
 この分野では、店や料理人に迎合していかないと難しいと考えます。
 マスコミも今は物珍しいということで
 貴誌をはじめ注目していますが、
 評価本などはやはりヨイショ、持て囃し論調の方が
 やりやすいのではないでしょうか。
 ただし、今まで料理人に対して不自然に賞賛一辺倒だったレストラン評論が、
 今後、一般客に少しでも軸足を移したものになってもらいたいとは
 思っております。
 全国版を出してくれ、との要望もありますが
 今の私の立場では不可能です。
 今までと違った切り口の評価本、ガイド本が他にも出てくれば、
 一般読者、一般客にとって利益になることだと思います。
 外食好きの私もぜひ、
 参考にさせていただきたいと考えております。
 私は今までの料理評論家、フードジャーナリスト、料理店を全否定しているのではありません。
 いつの間にか、一般読者・一般客を主体に考えなくなり、
 料理人やジャーナリストにスポットを浴びせすぎてしまったことに
 問題提起しているのです。
 繰り返しますが、料理評価本では、
 「あれ食べた、これ食べた、うまい料理造ってもらった、
 これだけ料理人と親しい、こんなに人脈がある」
 なんていう自慢話は、
 まったく一般読者・一般客には必要がないことと考えます。
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