第245回
鮨屋のタブーに挑戦 その7
なぜネタを良くして人気店にならないのか
最近は、30代の若い主人の鮨屋が人気のようです。
今までも述べてきましたが、
彼らの特徴は、そんなに長い修業歴はなく
握りの技術以前に、コストに対するネタの良さで
評判をとってきているということです。
「さわ田」を筆頭に「あら輝」、「神泉 小笹」、
「しみづ」などですが、
これらの店は各々価格帯が違いますが
それぞれそのコストに見合うだけのネタをだすとして
流行っています。
反面、都心にありながら
中々集客に苦労している鮨屋が多いのも事実です。
私が疑問に思うのは何故このように、
鮨屋の立地に関係なく流行り廃れがでてしまうかです。
ネタを良くしてそれに見合う適正な価格にすれば、
修業歴などあまり関係なく流行ってしまう
(マスコミのバックアップも必要でしょうが)ことは
前述の店が証明しています。
流行っていない店はネタの割に価格が高いということでしょう。
安いのだがそれなりにネタも良くない、
といった店かもしれません。
そこで営業方針をかえて、ネタに拘りそこそこの価格にすれば、
流行ると思うのは私だけの考えでしょうか。
「さわ田」の主人のエピソードにあるように、
「青木」で修業していた期間より
運転手をしていて開店資金を貯めていた時期のほうが長い
といったものがあります。
ネタのルートは「青木」の伝手ではなく
自分の努力、熱意で開拓したとの事。
つまりやる気があればネタの質はあがり、
少々高い値付けでも
一日2回転する繁盛店になれるはずなのですが。
集客に苦労している店の主人は、
ネタ質の向上の努力を怠っているのか、
目先にとらわれて
ネタ質にあわない価格設定をしているということでしょうか。
ま、全員が努力してしまっても、
ネタはピンからキリまでありますから、
すべての店が上物をいれることは無理でしょうから、
難しい問題でもありますね。
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