第247回
料理店の盛衰は営業方針次第? その5
雇われシェフをスター化する
最近料理店特集の雑誌や
料理評論家、フード・レストランジャーナリストの
評価本を目にして、不思議に思うことがあります。
彼らはよく、「・・・さんが独立してオープンした・・・」
と紹介しているのですが、
その中に本当にシェフがオーナーの店がいくつあるでしょうか。
多店舗展開しているたとえば「リストランテ ヒロ」。
トマトのカッペリーニの生みの親と言われていますが、
この店のオーナーはある出版社の社長であると私は聞きました。
金髪パティシエの「ル ショコラ ドゥ アッシュ」も、
実は辻口さんは雇われと推測。
サルヴァトーレやXEXを多店舗展開する
Y‘S tableという会社が経営しているはずです。
彼のもともとの店、自由が丘の「モンサンクレール」のHPには
「アッシュ」のスタッフ募集がでていましたから、
「モンサンクレール」も厳密に言うと
辻口氏の店ではないかもしれません。
ついでに、「サルヴァトーレ」の
クオモ兄弟も雇われということがわかりますね。
「ラトリエ ドゥ ジョエル ロブション」が
今更ロブションの経営でないことを知らない人は少ないでしょう。
その他、一号店(本店)に比べて、
2号店の規模、コンセプトがまったく違って
派手になってしまった店も、
純粋なオーナーなのか疑いがでてきてしまいます。
「タテル ヨシノ」、「アロマクラシコ」、なども
私にとっては疑わしい。
これらの店に共通しているのは、
シェフをうまくスターに仕立て上げる
(ロブションなどスターをそのまま持ってきているのもありますが)
マスコミ対策がうまいということです。
吉野シェフなど、ここ数年は
ミシュランの星で、「ヒラマツ」に先を越されて
まったく埋没してしまっていると思っていたのですが、
日本に凱旋してくると、
さもミシュランに一番近かった
フランスのバリバリの有名シェフとして、
颯爽とマスコミに登場してきたのには驚きました。
おいおい、そんなにあのパリ店は凄かったのかと。
「レ クレアシオン ド ナリサワ」も
明日触れようと思いますが、
あまりに頻繁なマスコミへの登場に不自然さを感じますね。
マスコミとのタイアップで、雇われシェフをスター化する。
なにやらアイドル歌手の売り出しに似た手法を
感じ取ってしまいますが、
料理店でこれをやってしまっていいのでしょうか。
料理人だけでなく、
マスコミやそれを利用しようとするスポンサーまでも
勘違いしてしまっているのではないでしょうか。
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