第233回
評価本、ガイド本の予算が甘すぎる
ガイド本や料理店評価本を見て目指す店に入り、
おかしいと思った事が最近良くあります。
過大評価で料理にがっかりするのは
今に始まった事ではありません。
それ以外に最近私が感じるのは本に出ている「予算額」です。
どう考えても甘い見積もりです。
実際よりかなり安く書かれています。
評価本といっても所詮宣伝本なので、
客寄せのために安めに書いてある、と言われたらそれまでですが
それで良いのでしょうか。
私の経験から言うと、この手の予算額は、
フレンチやイタリアンではコースの平均価格か
アラカルトでも料理だけの価格です。
鮨屋でしたら、ツマミをとらない握りだけのお任せ価格。
勿論お酒代が入っているとは思えません。
でもこれは「予算額」ではなくて
ただの料理価格ではありませんか。
いまどき料理だけでドリンクを一切飲まず、
デザートも食べないで帰る客が多いとは思えません。
そのつもりで入店して、
チェック時に思ったより高い請求額をみて
びっくりされる方が多いのではないでしょうか。
私はここにも、読者・客本意ではなく、
店本位にこの手の本が編集されているのが面白くありません。
予算が高く書いてあると確かに敷居が高く感じて、
訪ねる客が減るのかもしれません。
しかし、その安めの「予算額」で仮に釣り上げたとしても、
チェックの際高いと感じた客は、次からはだませないはずです。
一回だけでも来ればよいといった、
その場凌ぎのことを考える前に、
恒久的な客対策、情報開示が必要と考えるのです。
よく友里は大酒飲みで支払額が高すぎる、
書いている予算が高すぎるといったご指摘を受けます。
確かについ誘惑に負けて、安い値付けなら絶対額が高くても
有名ワインを頼んで支払額が結果高くなることがあります。
ついもう一本飲んで飲料代が倍になることがあるかもしれません。
しかし、適度なワイン、
つまりその店のストックワインの平均額くらいは勘案した
予算を掲載しなければそれは「予算」とは言えない筈です。
鮨屋の場合も、ツマミも頼んだ場合のお任せと
適度な飲料もプラスした予算の掲載が必要と考えます。
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