第214回
友里征耶の疑問 その1
なぜエビが最初にでてくるのか
この冬はかなり「フグ屋」と「天麩羅屋」に通いました。
初めての訪問もかなりありましたが、
先日、「畑中」で食べ始めたとき
ふと一つの疑問が沸いてきました。
鮨屋でお任せを頼んだ場合、
最初の握りのネタが何か覚えていますか。
主人の考え方で違いがあるようですが、
たいていは白身かひかりものから始まると思います。
ワインなどもそうですが、
若い、軽いものから始まって
古い、重いものへと変えていくパターンです。
鮨屋によっては、赤身やトロを
最初の方で出すところもあるとは聞きましたが、
これは例外でしょう。
ところが、天麩羅屋では、多いか少ないかは別にして
私の経験から言わせていただくと、必ずエビからスタートします。
エビは天麩羅お任せコースの花形ネタのはず。
穴子やかき揚げ、野菜の好きな人もいるでしょうが、
エビは天麩羅の顔と考えます。
前座ではなく、
本日のメインイヴェントを最初に持ってくるということを
どの店でもやっているのが私には不思議なのです。
中には順番を変えて出す店があっても良いのに
と思うのは私だけでしょうか。
よい天麩羅ならば、
旨み、甘みを感じることの出来るネタを最初に持ってきて、
魚や野菜を途中はさんで、穴子をトリにしてご飯もので〆る。
こうしなければ天麩羅をコースとして楽しめないのかどうか。
最初はヘルシーに野菜でスタートして、
赤身やトロのように途中でエビを挟む、
私はこの方がうまくスタートできると思うのですが、
いかがでしょうか。
スタート時にメインであるエビがイマイチと判断しても、
途中で店を退場するわけには行きません。
店の判定用に最初に出しているのではないでしょう。
皆さんのお考えはいかがでしょうか。
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