第112回
ワインの諸々 その3
ワイン本の売れ行きは
このコラムを担当させていただくようになってから、
料理、料理店関係の本を見に行く、
買いに行く機会が多くなりました。ネタ探しも兼ねていますが。
そしてついでに、ワイン関係の棚もチェックしています。
驚いたのですが、
今、ワインブームが落ち着いてしまったというのに、
相変わらずワイン本というものが
バンバン出版され続けているのです。
5〜6年前の第三次ワインブームの時は、
ワイン本が溢れていました。
有名ソムリエが色々タイトル名を変えて、
本を出していたのも記憶にあります。
ついでと言ってはなんですが、それほど有名でないソムリエ、
ワインスクールの校長、ワインショップの店主まで
ワインの説明本や料理との相性をテーマにした本を
出してきました。
勿論、世界のワインカタログ、ワイン評論家の評価本、
ワイン研究家の解説書といった専門的な本も含めてです。
次から次に出てきましたが、
そんなに回転しているようには見えません。
どれも、内容に大きな差があるわけではないからか、
売れているように見えません。
ある出版社に聞いたのですが、
やはり「ワイン本」というのは全体でみても
売れていないとのことでした。
ブームで、日本中がワインラヴァーになったような
錯覚を受けましたが、実際のワイン人口はまだまだ少ないので、
購入層が限られるそうです。
まだまだ本当に普及しているお酒ではないようです。
昔の記憶なので自信はありませんが、
フランスと日本の
1年当たりのワインの消費量を聞いた事があります。
一人当たりに直すと、確かフランスは300本以上、
つまり子供や幼児も含めて一日1本。
反面日本は、一人当たり年間2本弱だったと記憶しています。
ブームでたとえ倍、3倍になっても
フランスのまだ足元にも及びません。
まだまだ、ワインはごく一部の人達の飲み物に
とどまっているようですが、
マスコミなどの取り上げが派手だったので、
市場が広がったと錯覚してしまったようです。
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