| 第104回ボツになったある雑誌への取材回答 その6
 店側を取材した結果考えたと思われる質問への回答
 ●また友里様自身へ直接お店から、お電話、お手紙等で抗議がございましたでしょうか?
 間接的に、噂話のような形で聞く機会はありました。でも、同じ間接的でも賛同の話の方が多いですよ。
 手紙はグラフ社を通してですが、
 すべて賛同の物であったと記憶しています。
 ●お店からは「“覆面”で取材するのは構わないが掲載を事前に教えてほしい」という反応もありますが、
 その点は如何でしょうか?
 貴誌もかなり前もって、取り上げた店に対して聞き込み、不満を聞きだしているようですね。
 それは今までの取材がほとんど実名取材だったから、
 今回のようなスタイルに
 慣れていなかったからではないでしょうか。
 自分の店を褒めない評価本が出る、なんて
 彼らの頭にはまったくなかったはずです。
 覆面取材も断る、という店は、
 特別料理と一般料理の格差がかなりありそうで問題です。
 掲載を事前に通知することが本当に必要なのかは、
 出版社と検討しなければなりません。
 私の一存ではお答えできません。
 ただ、なぜ事前に知りたいのでしょうか。
 その意味は、掲載内容を把握して記述の修正を要求したい、
 との意図を感じます。
 一方的に、掲載することだけを通知するだけでは、
 店にとって今の未通知と差がないと考えます。
 もし、店側と妥協しながら評価を修正するのであれば、
 拙著の存在価値はなくなります。
 今回、そのような抗議をしてきたお店が1店あったと
 グラフ社からは聞いています。
 このお店はちゃんと名乗られたそうで、
 その後本を一冊送ったと聞いています。
 ●お店からは「営業妨害、名誉毀損で遺憾である」という
 反応がありますが、その点についてはどうお考えでしょうか?
 今までの評価本、ガイド本で、下駄を履かされてヨイショされていた記事に慣れていたので
 免疫がなかったようですね。
 「週刊新潮」、「文藝春秋」などの
 書評にも取り上げられましたが、
 その中でも、今までの書き手と違った観点できっちり書いてある、
 と良い評価を受けています。
 具体的な店名を挙げて「まったくその通り」と
 同意されている方も何人かいらっしゃいます。
 つまり拙著は、サイレントマジョリティーである
 一般読者が感じていることを、
 ただ代表して取り上げただけと考えております。
 特に新しい考え方ではありません。
 彼ら料理人の主張とは逆に、
 今までの店ベッタリのヨイショ記事に対して、
 読者がおかしいではないか、との反応も非常に多いのですが、
 そのことに対して店側はどう感じているのでしょうか。
 貴誌も色々店側の反応を探られているようですが、
 この突っ込みは必要と考えます。
 でなければ、ただの悪口三昧の本だけならば、
 これほど反響を得られなかったと考えております。
 書評にも取り上げられなかったでしょう。
 そのところを、クレームとして反応している
 お店側がどう捕らえているか、
 世間の反響を真摯に受け止められないところに、
 彼らの閉鎖性があると考えます。
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