第29回
ワインを持ち込む際のマナーについて
「ワインの持ち込み」に成功したといっても、
その権利を維持する努力が我々客側には必要です。
あくまで、「持ち込み」は店の好意に甘える、といった
客の謙虚な態度が、両者の良好な関係を長続きさせます。
それには最低、次のようなマナーを守る必要があると考えます。
1、
持ち込むワインはある程度見映えのするワインのみ
デイリーワインに近いものを持ち込む人はいないと思いますが、
できれば、そのお店で取り扱っていないワインが好ましい。
そして、レアや古いワインなら尚更結構。
2、
ソムリエにもワインを飲んでもらう
前にも述べましたが、
ソムリエは案外レア、オールドなワインを飲んでいないもの。
彼らも持ち込まれたワインに非常に興味を抱いています。
できれば、そのソムリエと厨房のシェフにも
試飲できるくらいの量のワインを太っ腹で渡しましょう。
3、
他人に「持ち込み」を許可してもらっていると自慢しない
店も客全員に持ち込まれたら、
ワインの売買差益が得られませんから死活問題になります。
自慢話を聞いた人というのは、たいてい、
初回の予約時に「誰々から持ち込めると聞いたので持ち込みたい」
と初っ端から交渉してしまいます。
店にとってはいやなものですから、
お互いの関係が悪くなる原因にもなるのです。
4、
たまには持ち込まずに店のボトルを頼む
私は数人でやるワイン会の場合は、
持ち込むワインは必要本数より少なくして、
1〜2本、店で注文します。
家族で行く場合は、何回かに一回は持ち込まないで
ワインをボトルで注文する配慮は必要でしょう。
店によって「持ち込み料」はかなり違います。
その範囲は2000円から5000円くらいです。
ホテルなどは最初から電話でオーケーがとれますが
最高額を要求されることが多い。
駄目もとでネゴすれば割引してくれる可能性はあります。
ワインの銘柄によって
「持ち込み料」を上下しようとする店があります。
高級ワインなら5000円とってやろう、
といった考えなのでしょう。
恵比寿の「モナリザ」ですが、
そのような店は営業姿勢に問題がありますから、
すべての面で避けた方が無難です。
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