第28回
ワインの持ち込み交渉術
ワインに懲りだして次々と購入しだした収集家はある日、
ふと心配になります。
「こんなに集めてしまったが、死ぬまでに飲みきれるか」とか
「苦労して集めたレアなワインを、
自分だけで自宅で飲むにはもったいなくて開けられない」と
思い始めるのです。
そこで考えられるのが、ワイン仲間に対してのワイン会の開催と、
個人的な外食の際店で自分のワインを飲むことです。
どちらも、店にワインの持ち込みを交渉しなければなりません。
最近は不景気なのでしょうか、
有名ホテルの鉄板焼き屋や「福臨門」といった
ある種グランメゾンでも、
持ち込み料は高いですがワインの持ち込みを出来るところは
増えてきています。
最初から、ガイド本などで「持ち込み可」と
うたっている店もありますが、
ここでは私がやってきた持ち込み交渉法を述べてみます。
初めて交渉される方は、比較的新しい、
規模の小さいお店をターゲットにした方がいいでしょう。
あまり流行っていない方が可能性も増えます。
初訪問の時からワインの持ち込みを交渉するのは
辞めときましょう。
狙いを絞った店に初めて訪問したら、
必ずワインはボトルで注文しましょう。
投資だと思って、出来れば高めのワインを頼むことです。
気前の良い客だとソムリエに目立たせる意味があります。
高いワインを頼んで儲けさせてもらう客はありがたいですから、
ソムリエのサービスも力が入ります。
2時間以上かけた食事の中で、
しっかりソムリエには上客と思わせる
(勘違い)やりとりをしてください。
リピーターになることをほのめかすのは当然です。
できれば、このような訪問を2回ほどすると万全なのですが、
一般客としては色々制約がありますから、
初回でも店を後にする最終段階で、
そっとソムリエに「持ち込み」の許可を訪ねます。
ある程度の確率で、
ソムリエは「持ち込み」を了解してくれるでしょう。
条件的には毎回は駄目、と言われるかもしれません。
でも、「持ち込み」の実績が必要ですから、
そのような条件付でもまず成功したと考えてください。
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