上海、深セン市場のオープン当初から
ずっと中国株にかかわってきた人の物の見方です

第22回
中国電力業界(政治と人脈)

もともと中国の電力業界は
「中国国家電力総公司(SPC)」というものがありました。
電力の母体企業、基幹産業として
国内では判独占状態が続いていました。
しかし、独占的な企業は
とかく競争力に欠け、
技術革新意欲や経営改革などに対しては
脆弱な体質が芽生えます。

更には、政治との癒着や
腐敗を生むことになります。
そこで国家発展計画委員会は、
電力体制の改革を実行し、
国家電力総公司を解体して、
現在の5大発電グループと
2大送電体制を作りました。

中国の発電技術はともかく、
送電・配電体制が先進国に比べて
ウイークポイントになっています。
送配電体制が機能的に
整備されていないのは、
これまでの政治体制の中での派閥が
原因だとも言われています。
言い換えると電力会社は
政治的な色彩が非常に強い業界と言えます。

旧中国電力総公司の
副社長を務めていたのは
李鵬元首相の子息、李小鵬氏です。
華能国際電力の現会長です。
第13回でご紹介しました
「中国電力国際(2380)」のCEOは
李小琳さん(李鵬元首相の娘)です。

人脈はともかく、こうして出来上がった
現在の5社・2社体制は国策と言えますので
当分の間続くと考えられます。

香港上場企業で中国の電力企業として
同社と大唐国際発電が
大手2社してよく知られています。
現在のPER(株価倍率)は
大唐国際発電が19倍、
華能国際電力は14倍となっています。
単純に両者の比較をすることは困難ですが、
PERだけで比較すると
華能国際電力の方が割安です。
もしPERで大唐国際発電並みに買われると、
7.95香港ドルも夢ではないと思います。

中国の電力供給不足は
まだまだ来年も続くと思います。
中国株投資のポートフォリオの
1社として、同社をお薦めします。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

←前回記事へ 2004年11月1日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ