上海、深セン市場のオープン当初から
ずっと中国株にかかわってきた人の物の見方です

第13回
新規上場銘柄の紹介

【チャイナ・パワー(中国電力国際 2380)】

10月15日に「チャイナ・パワー」(レッドチップ)
の上場が予定されています。
公募価格は2.1 〜 2.6香港ドル
の間で決定されます。
予想では上限の2.6香港ドルが有力です。

同社は中国5大電力グループ
(華能国際集団、大唐発電集団、華電国際集団、
国電電力集団、中国電力投資集団の5グループ)
中国電力投資集団(CPIグループ)の最重要企業です。
中国国内で全国的に発電所を開発建設、管理及び
運営する権限を有する、CPIグループ内で唯一の会社です。
同社は3つの大容量の石炭火力発電所を有しています。
今後、建設中の発電所1つ・建設申請中の発電所2つの稼動や
親会社からの発電所の買収などにより
事業規模の拡大を図る方針です。
同社の業績の推移は2004年上半期の
連結売上高は16%増、純利益は8%増となっております。

【電力会社の事情】

ここ数ヶ月は各電力会社の業績も去年と比べると
伸び悩んでいますが、その要因であった
電力向け石炭価格の高騰も、
当局の通達
(電力会社への販売に限り、
今年5月末の石炭価格の上限8%までしか上げてはならない)
によって懸念が解消されました。
また、各電力会社は石炭の調達を積極的に進め、
石炭会社と長期契約を結ぶなどの安定供給及び
コスト減の努力をしています。

同社の有利な点はいくつかありますが、
その主なものとして、
上記に挙げた石炭調達に関するいくつかの点が挙げられます。
稼動中の発電所のうち2つは炭鉱付近に立地しており
また、残りひとつは長江に隣接し、
専用港湾施設を有しています。

このような戦略的な立地は
同社への石炭の輸送を円滑にしており、
石炭輸送費を大幅に削減し、
時折供給不足になる発電所への適時かつ
確実な石炭供給が可能となります。

参考までに私の試算では公募価格上限付近で
価格が決まった場合の同社のPERは
約12.5倍になります。
同業他社では華能国際電力は約15倍、
大唐国際発電は約19倍、
華電国際電力は約14倍です。

【上場タイミング】

今回の新規上場の注目すべき点は、
上場のタイミングです。
先日ご紹介しました、
「中海コンテナ」の上場は、
株式市場の低迷時であり
マーケット環境に恵まれていませんでした。

今回の上場は下記の点でマーケット状況は
良い状況ではないかと思われます。

・国慶節前後の利上げ懸念に対しての人民銀行総裁の
 「利上げの計画は当面ない」との発言。
・H株指数のボックス圏抜けによる投資家心理の好転
・胡錦濤体制への集約
・温家宝首相の株式発展と投資家の利益保護を
 目指した方針の表明

上記のような理由でマーケットの環境は
好転しつつあります。
同社に期待。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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