第369回
「延命十句観音経霊験記」を読む
《心のときめき》をもたらす養生法が
いかに病気快癒に結びつくか?
前回まで、この発想法の提唱者・帯津医師の著書
「養生は爆発だ!」を紹介し、
また、この本の中で紹介されている
白隠禅師の名著「夜船閑話」(やせんかんな)
を読み直すことによって、
《元気長寿》の秘訣について、
長々と考えてきました。
帯津医師が、同じ「養生=爆発」論の
哲学者・ベルクソンや白隠禅師と
いかにしてエンパシー(共鳴)したのか?
白隠禅師のもう1つの著書
「延命十句観音経霊験記」についても触れています。
これも紹介しておきましょう。
*
《もっぱら延命十句観音経を念誦(ねんじゅ)し、
心は常に丹田気海の宝所に向かって
参究していくならば、忽然として、
玉楼を押し倒し、氷盤を砕くような境界が出現する。
ここに、宇宙万物の根本(略)
三千世界を手のひらにおいたような境地に至る≫
(延命十句観音経霊験記より)
この≪玉楼を押し倒し、
氷盤を砕くような境界》というのが、
まさに《いのちの爆発》といっていいでしょう。
立派な御殿が倒れ、大きな氷のお皿が
砕け散るようなイメージです。
丹田がボンと爆発する。
それが養生だというわけです。(略)
小爆発でもいいと思います。(略)
体内にいのちのエネルギーが満ち満ちてきて
逃げ場がなくなってボンと爆発する。
日々こつこつと養生を続けていれば、
そういうことが起こるのです。
*
どうですか? 養生による
《生命エネルギーの積み重ね》が、
いかに《元気で長生き》のパワーを爆発させるか――
帯津医師の「養生は爆発だ」の論拠が、
なんとなく分かったことと思います。
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