第353回
50歳からの逆発想
長寿難病時代の処世の知恵は
30代、40代の前半生の
経験則だけでは追い付きません。
思い切って発想を逆立ちさせましょう。
後半生に襲ってくる
ガンもボケもストレスも賢く避ける、
いや、したたかに先送りする、そして、
己の若さにもう一度、再投資する――、
こうした一歩一歩の
スローヘルスな(温和な)気づきと継続が、
50歳からの「元気で長生き」「元気で若返り」の
コツになることは間違いありません。
まずは、養生の先達から
「学ぶ」いや「真似る」ことからじっくり始めましょう。
この伝で見渡せば、hiQの邱永漢さんをはじめ、
このコラムで紹介している
帯津良一さんから、桜沢如一さん、塩谷信男さんまで、
70代、80代、そして100歳代の養生の先人たちは、
人生自由自在を貫く最高位の
養生発想の持ち主だと、僕は尊敬しています。
貝原益軒の「養生訓」にも
「もし養生の術つとめ学んで久しく行はば、
身強く病なくして、天年を保ち、
長年を得て、久しく楽しまんこと、
必然のしるしあるべし。
この理(ことわり)疑うべからず」とあります。
健康、生きがい、仕事、家族、お金――
まだまだ何が起こっても不思議はありません。
日本もアメリカの財政赤字を笑ってはいられなくなりました。
年間の歳入が40兆円しかない政府が、
倒産寸前の大企業に公的資金をつぎ込む、
国債を発行して借金は800兆円。
このツケは、個人一人一人に転嫁されます。
己の身は己で守る、転ばぬ先の杖として、
いや転んでもしたたかに起き上がる知恵袋として、
先人の残した
「スローヘルスな(温和な)養生訓」は大事にしましょう。
まさに、50歳からの人生目標の第一は
「長生きも若返りも芸のうち」――
このあたりの気分じゃないでしょうか。
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