第352回
50歳からの養生設計
僕の周りの同輩後輩を見渡すと、
無事に定年退職して、
小金はいささかあるものの、
生きがいを見失ったり、
いわゆる濡れ落ち葉の生活で過ごしている
往年の辣腕重役や敏腕部長はたくさんいます。
まだ、こちらはよいほうでしょう。
50歳、60歳、70歳でガンと診断されて、
大学病院のおかしな医師に
やたらと切りまくられたり、
毒薬ともいうべき強烈な抗ガン剤や
モルヒネをぶち込まれて、
無念のうちに亡くなった人もおりました。
いよいよ50歳以上が日本の人口の半数を
占める時代が目前となってきました。
50歳からは、まさに人生後半の設計を
しっかりと立てる大事な年頃となりました。
50歳から一つ心を入れ替えないと、
思う存分納得して
元気で長生きを送る後半生は開けないーー
そう断言して言い過ぎではないでしょう。
ちなみに、僕は50代後半に
「母はボケ、俺はガン」というピンチに見舞われましたが、
こうした2世代闘病や老老介護は他人事ではありません。
好き好んで、親子もろともに
≪病気で長生き≫の道を選ぶことはありませんが、
明日はわが身の問題です。
介護する50代、60代も、介護される80代、90代も
若い頃には思いもよらなかった後半生に
たじろいでしまうものです。
また、50代はまだまだ働き盛りですから、
目先の不満とストレス不安にただ怯えて
「燃え尽き症候群」や「空の巣症候群」に
落ち込むことはいけません。
「50にして天命を知る」
「人間50年、下天のうちをくらぶれば・・・」
と、人生なんて短いものだなどと粋がったり、
ただ漫然と制度改革を待ち続けていたのでは、
長い長いこれからの人生後半が台無しです。
50歳からは、
「養生の合間に仕事をする」
「養生しながら己の人生を存分に楽しむ」――
これくらいの覚悟が、
「病気知らず」いや「元気で長生き」で
後半生を過ごす秘訣となります。
≪衣食住≫ならぬ
≪医食財≫にわたって、50歳からは、
逆発想で再設計図を立て直す、
とても大事な年頃なのです。
|