第336回
帯津良一博士の養生訓・2
≪生命在脚下 希望在心中≫――
2・3カ月に1度、検査と診察を受けに
川越の帯津三敬病院に行きますが、
先ずは、ロビーに掛っている、
この≪いのちの揮毫≫に黙礼、復唱。
そして診察室に伺います。
いまや、図々しくも、孫引きさせてもらい、
僕自身の座右の銘とさせていただいているわけですが、
帯津医師はいやな顔もせず、
「ハハハ、どうぞ、どうぞ、役立ててください。
きっと元気が出ますよ」と、
にこやかに笑うではないですか。
古来の金言といえば、
≪名は体を表し、体は心を表す≫という言葉がありますが、
帯津さんはなかなかの福相の持ち主です。
丸顔童顔でちょっとメタボな?お腹ですから、
≪仙人≫というより
七福神の≪布袋(ほてい)さん≫という感じです。
お会いして顔を見るだけで
「癒される」という女性の患者さんがたくさんおります。
ちなみに布袋さんは
≪弥勒菩薩の化身で来世まで衆生を守り救ってくれる≫
といわれます。
帯津さんは≪絶望≫にうちひしがれた患者の心を
≪希望≫という真綿で
ふわーと包んでくれるオーラに満ちた人なんですね。
洋の東西の医学の学識と経歴では
日本で他に追従する人を知りませんが、
患者の目線に立って人生再設計の言葉を
“風”のように送ってくれるから“温かい”のでしょう。
いま心理学で“コーチング”という言葉が流行っています。
有名スポーツ選手の
メンタル・トレーニング(自律訓練法)で有名な
福島大学人間発達文化学類教授 ・
白石豊さんの本を読んでいると
コーチcoachとは
「馬車に乗せて目的地に連れて行く人」
という意味だそうですから、
まさに、帯津さんは心おおらかな布袋さんです。
さて、帯津さんとの≪縁≫を結んでくれたのは、
僕が週刊誌の編集長をしていた頃に仲良くしていた
和田努さんという医療ジャーナリストであり、
その親友の横田誠さんでした。
≪縁≫が思わぬ≪縁≫を広げ、
ついに「ガンを切らずに寝たきり」ではなく、
「元気で長生き」の≪幸運≫を次々と、
僕に、もたらしてくれたことになりました。
帯津さんの治療法もさることながら、
その希望の金言が最良の薬となりました。
まさに「言葉は力なり」なのです。
この帯津医師の「生命在脚下 希望在心中」の
話の続きは、また明日。
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