第312回
「フロウ(不老)」でなく「スロー」で!
薬膳も不老長寿=仙人の道だ――、
「薬膳料理を楽しむ会」で僕がスピーチした
「薬食同源養生法の効用」の話の続きです。
*
しかし、ま、僕のような凡人は、
不老不死の「仙人」にはなれないし、
あまり髭面(ひげづら)ぼうぼうの仙人などに
なりたくもないわけですが
「フロウ」ではなく「スロー」ですね(^0^)
スローヘルスぐらいは楽しむのが、
凡人の生き方として愉しいのではないかと勝手に心得て、
「スローヘルス研究会」をやってきたわけです。
それに賛同するかたがたが集まってくれたわけです。
もう少し、不老長寿食=薬膳について話します。
料理については、お店の方から話があるでしょうが、
薬膳は、中国の一元論思想である
「陰陽五行」に基づいて、
食べ物を分類、分析され、料理に活用する考え方です。
食べ物の性質を、甘い、苦いなどの「五味」と
温かい、寒いなどの「五性」で分け、
食べ物の性質が体の臓腑のどこに効いてくるのか?
つまり、「帰経」(きけい)と呼ぶ尺度で分類し、
料理に応用するわけです。
食物がどの経絡(けいらく=気の流れの道)から入って、
どの臓腑など全身に影響を与えるか・・・
という意味で「帰経」といいます。
夏の野菜の「五味・五性」
「帰経」「働き」の関係について、
一部を紹介すると次の表のようになります。
食べ物 |
五味 |
五性 |
帰経 |
働き |
かぼちゃ |
甘 |
温 |
脾、胃、大腸 |
体を温めて胃腸の吸収力を高めて疲れを癒す |
きゅうり |
甘 |
涼 |
胃・脾・小腸 |
体の余分な熱をとる。
のどの渇きを癒す。尿の出をよくする
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たまねぎ |
甘辛 |
温 |
肺・胃・肝 |
血液をサラサラにし、高血圧予防。胃腸を温める。 |
にんじん |
甘 |
微温 |
肺・脾・肝 |
胃腸の働きを活発にし、気の巡りをよくする |
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