第288回
ホメオパシーと≪緩和ケア≫
僕の主治医で、ホリスティック医学の権威で、
最近は、21世紀の医学といわれる
「ホメオパシー」(同種療法)医学の理論と実践にまい進している
帯津良一博士から送られてきた
新著「帯津良一のホメオパシー療法」の話の続きです。
ホメオパシーについては数年前に、
僕も帯津医師から処方していただいたことがありますが、
ホメオパシーの「同種の法則」と「超微量の法則」という
逆転の発想が、いまひとつ理解できず、
また、僕は、漢方や日本古来の伝統療法の考え方の方が、
体の改善に相性が合うだけでなく、
自然にこころに響いてくるものを感じましたので
いまホメオパシーは受けておりません。
しかし、今度の帯津医師の新著を読んでおりますと、
「ホメオパシーと漢方の違い」
「医療は患者の物語(ナラティヴ)を見るものだ」
といったことがよくわかります。
また、帯津医師が、いかに
「ホリスティック医学(全体医学)」の中で
「ホメオパシー(同種療法)」を独自に体系化、
有用化しようとされているか?
その大いなる志しと努力の成果が克明につづられているのが
とても興味深いものです。
よく、ホメオパシーというと、
他の医学や療法を敵視ばかりする療法師がおられますが、
これは、受ける患者にとって、
息が詰まってとても耐えられないものです。
かえって、心身の具合を悪くするものです。
その点、帯津医師の説かれる「ホメオパシー」には、
そうした治療者の偏狭さがなく、
まさに、いのち丸ごとを包み込む、
ホリスティックな位置づけにおいておられるところが
魅了的なのです。
帯津医師は、ホメオパシーの世界的権威でギリシャ在住の
ジョージ・ヴィソルカスさんとの人間的ふれあいに触れて、
考え方を簡明に表明しておられます。
≪「われわれはホメオパス(療法師)である前に医師なのだ」
だから、目の前で苦しんでいる患者をホメオパシーで
全部解決しようとしなくてもいい。
うまくいかなければ中国医学でも、西洋医学でも使う――
つまり統合医学的な考え方があったことで、
そうしたことに加え、
ヴィソルカスという人やその考え方に触れたことが、
ますます私にホメオパシーに対する
自信をつけさせてくれたと思います≫と。
いかにも、いのち丸ごとの医療を志す、
21世紀の医師らしい素晴らしい発言だと思いませんか?
さらに、≪ホメオパシーは怒り、憂い、悲しみなど
心の状態を基本にして組み立てられた
“ナラティヴ(物語性)”の医学≫だとして、
≪死の不安を和らげ、苦痛を軽減する「緩和ケア」にすごくいい≫
とする箇所が、多くの患者さんにとっては、
興味津々のポイントとなるはずです。
詳しくは、本書を熟読してください。
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